タイトル | 神様のカルテ |
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原作・漫画 | 夏川草介 石川サブロウ |
出版社 | 小学館 |
24時間365日診療を掲げる病院に
勤務している医師、栗原一止が主人公です。
一止は、夏目漱石を愛しすぎるあまり
話し方が古風であるために
周りからは変人扱いされる。
しかし、悩み時には立ち止まりつつも
患者に真摯に向き合うため、
周りからの信頼を徐々に手にしていく。
神様のカルテのあらすじ紹介
主人公栗原一止をめぐり、
いろいろな出来事が巻き起こる。
末期の癌患者さんにどう向き合うか、
医師としてどう立ち向かうのか。
自分のキャリアデザインの中で
何に重きを置くのか。
大学病院に戻って安定した
収入を得るのか、それとも
地元の病院でコツコツと目の前の
患者さんに向き合うのか。
いろいろな医師、患者、看護師の
価値観の違いの中で、一止は
自分はどうしたいのか考え
じっくりと分かり合えるまで向き合います。
医療関係者はもちろん、そうでない
人にとっても命とはなにか、自分は
どう生きていきたいのか
どう生きるべきなのかを
考えされられる作品となっています。
神様のカルテのネタバレと今後の展開は?
大学病院で末期であるために
診療を拒否された安曇さんという
患者さんを主人公が地元の病院で
みることになる。
この患者は、大学病院で余命宣告をされ
好きなことをして過ごしなさいと
言われていた。
そして主人公を頼って、最後まで
見てくれませんかとお願いする。
主人公はそれを了承した。
安曇さんの状態は悪くなる一方で、一止は
やむをえず余命宣告をする。
すると、安曇さんは死ぬ前にもう一度
山を見たいといい、一止はそれに応じ
安曇さんを病院の屋上へ連れていく。
その後、安曇さんの容体は
悪くなり亡くなってしまう。
死んだあと、病院の屋上で死んだら
これをかぶせてください、と言っていた
帽子のなかに一止へのメッセージが
入っているのが見つかる。
そこには、一止への感謝の気持ちが
並んでいた。
また、余命幾ばくも無い自分の
状態について詳しく書かれた
カルテを見て、神様のカルテだと
感じたことが書かれていた。
一止はそれを読み涙が止まらなかった。
そんな中、妻が妊娠を告げる。
神様のカルテの読んでみた感想・評価
自分は、将来医療に携わる予定であり、
この作品を読んで命の意味、
重さについて考えさせられました。
大学病院は最先端の治療ができ、
設備のないところでは治らない人も
治るかもしれません。
しかしながら、この作品にみられるように
どこか効率性を求めるあまり人間性の
部分が置き去りにされてしまっている
側面があるのではないかと思いました。
私は、できることなら最先端の医療技術を
身に付けつつ、一止のように本当に
患者さんの希望を分かるまで
お付き合いすることができるような
医療者になりたいと思いました。
昨今、働き方改革で残業を減らし
ワークライフバランスを重視した
働き方が推奨されています。
確かに健康を害するほど働き続けることは
しんどいかと思います。
しかし、この漫画の主人公のように
患者さんの治療に本当にのめりこんで、
患者さんに必要とされ、自分にできることを
惜しみなく行うような人生もいいもの
なのではないかなと個人的には思います。
自分だけ、しっかり休みをとるのは
なかなか難しく、どうしても患者さんの
ことが気になるような気がします。
むしろ、気になるくらい真剣に患者さんに
関わりたいと感じました。
神様のカルテはこんな方におすすめな作品!必見
特に、これから医療に携わる人には
個人的におすすめです。
医療に携わる以上は避けて通ることが
出来ない問題が満載で、ぜひ医療に
携わる前に一度読んで考えてみて
ほしいと思います。
また、中高生にも読んでみてほしいと
個人的には思います。
最近若い人の自殺問題が多いですが、
この本を読んでいかに命が尊く
かけがえのないものなのかということを
再認識してほしいなと思います。
同様の内容でおすすめの漫画は、
Dr.コトー診療所です。
この漫画は、離島で医療を行う
医師が主人公の物語です。
離島医療ですので、専門分野が
違うなどとは言っていられません。
患者の命は自分ひとりの肩に
かかっていますし、どんな患者さんが
きても診れないといけません。
そんな状況の中で、コトー先生は
必死に目の前の患者を救い、
真摯に向き合い信頼を得ていきます。
医療職者としての基本的な部分、患者さんに
一人の人間としてどう向き合うのか、
そういった部分を考えさせられる
作品となっています。