タイトル | 純愛大吟醸 |
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原作・漫画 | 山田こもも |
出版社 | 小学館 |
メーカーの総務担当として
頑張っていた米花は、突如、
「未来開発課」の一員として、
社に新風を巻き起こすような
新たなお酒の開発を
皆とやっていくことになり……。
仕事での付き合い、個人の好感、
そして約束といった要素が、
非常にテンポ良く網羅された、
新感覚のお酒系ラブコメです。
純愛大吟醸のあらすじ紹介
お酒メーカーの総務として
一生懸命働いていた神代米花。
しかし彼女は突如として、
「未来開発課」なる
あまり聞き慣れない部署に、
異動を食らってしまうという
予期せぬ事態に。
ただ、その新設セクションにいたのは、
仕事の有能ぶりで知られた虎太郎を筆頭に、
実に仕事ができる面々でした。
日本酒の新機軸を生み出すべく、
米花たちは「恋する」をテーマに、
野心的な作品作りをしていきますが、
虎太郎と米花の絆は、
単なる上司や部下といった
レベルではありませんでした。
純愛大吟醸のネタバレと今後の展開は?
酒造メーカーの総務として、
日々頑張っていた神代米花。
しかしいきなり「未来開発課」なる、
聞き慣れない部署への異動を
命じられることに。
本人も意外、周りも嫌だと
難色を示す中、米花は、
とても陽気なイケメンに、
社内の倉庫に放り込まれます。
実はそここそが未来開発課の
本拠地というわけで、
既に機材も人材も揃っており、
自身を「ピーチタイガー」と
称するイケメン、富士虎太郎は、
いよいよ歓迎の姿勢を見せます。
と言うのも米花は突如として、
この新設の課の課長という、
意外な扱いになっており、
一介の若手OLがすぐさま
皆の責任者に
なってしまっていたのです。
もちろん米花は自信がありませんが、
強烈なカリスマと能力を持つ
虎太郎は何故かやる気でした。
実際米花は、ふとした事故でも、
全力で相手に親身になって考え、
蔵人の熊吉さんと仲良くなるなど、
計算しない状況でも自然に
人の中心にいる能力があり、
故に虎太郎も抜擢したのでした。
もっとも超エリートの虎太郎が、
米花にこだわるのは、完全に
「個人的な理由」も含まれており、
そのために米花は、今までよりも
ずっとハードなドタバタを
味わうことになるのでした。
純愛大吟醸の読んでみた感想・評価
突然現れた許嫁、的な
急展開系作品と思いきや、
良い意味で皆大人であり、
仕事がきっちりなされていたのが、
読んでいて共感できる点でした。
本作は、社員皆で新たな
「お酒作り」に取り組もうという
最近の動きを反映したような、
しかしちょっと意外な一作です。
日本酒作りと言えば職人の世界で、
新味あるものをとなると、
徹底的になされてきた研究を、
さらに一段積み上げるような、
産みの苦しみがありますが、
本作の軸はもっと地道な作業です。
また、新たなチャレンジとは言え、
未来開発課に回った面々は、
皆有能で人当たりも良いので、
安心して仕事を任せられるような
雰囲気があるのも良いですね。
女性向けの日本酒という、
リアル路線の新商品の開発に、
「恋」をうまく絡めた上で、
作品の本筋も進展させるような
構成の巧さが良い意味で目立ち、
それがイヤミでないのも良かったです。
個人的には、苦かったり、
酸味がきつかったりすると、
なかなかお酒が飲みづらいため、
甘いカクテルではなく、
本作に出てきた日本酒のような
飲みやすいお酒があればと思います。
現実にも米花さんのような
やる気と元気溢れる女性が、
お酒作りに取り組んでくれればとも、
しみじみ思ったりしてしまいました。
純愛大吟醸はこんな方におすすめな作品!必見
ヤケ酒や嫌々の付き合いではなく、
楽しみで飲む酒はおいしいものです。
しかし気分的な部分はともかく、現実には、
ビールは苦くワインは酸っぱくと、
どうしてもクセがあったりするものです。
そこでお米が主成分で比較的、
まっすぐな味わいなのが日本酒ですが、
なかなか女性向きではないのが弱点です。
しかし本作は、「恋する日本酒」をと、
編成された特別チームに入った
ヒロインが奔走する物語で、
男っぽい日本酒はちょっとと
思っている方にも、気分が
実に合う感じになっています。
また、恋にお仕事にと忙しく
物語が進行していく中でも、
オラオラ系の上司が少なく、
実に気分が良く仕事できるイメージが
全体に漂っていたのもいいですね。
もちろん本作に登場するお酒は
架空ということになるわけですが、
その思いの強さや雰囲気の良さは、
現実にあったらいいなという感じで、
良い意味で絵空事的でないのも
高評価されるべきところでしょう。
物語全体のテンポが良く、
サクサクと進んでいったりと、
基本的に「停滞」が少ないのも、
団結と努力で結果を出す、
ビジネス系作品としては
嬉しいところだと思います。