タイトル | 終わりのセラフ |
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原作・漫画 | 鏡貴也 山本ヤマト |
出版社 | 集英社 |
作品の舞台は日本。
「大人が死に至るウィルス」と
「吸血鬼」の存在によって人類社会は
ほぼ壊滅状態に追い込まれてしまった。
そんな世界で生き残った若者達は
吸血鬼に立ち向かう組織
「日本帝鬼軍」を設立。
そこに所属する16歳の少年
「百夜優一郎」が主人公となり、
家族や仲間を守るため吸血鬼と戦っていく。
終わりのセラフのあらすじ紹介
主人公「百夜優一郎」は8歳の頃、
両親から「悪魔の子」とさげすまれて
孤児院に送られた。
それとほぼ同時に
「一定年齢以上の大人が死に至る」
という謎のウィルスがまんえん
また、吸血鬼の登場により世界は地獄と化す。
生き残った子供達の一部は
吸血鬼達に捕らえられてしまう。
優一郎もまたそこで
家畜のような扱いを受ける。
家族(同じ孤児院出身の子供達)の
尊い犠牲によって外部への脱出に成功する。
そして吸血鬼と戦う組織
「日本帝鬼軍」に所属して、
家族のかたきを討つための力を磨いた。
それから8年後、
16歳になった優一郎は軍の兵士として
吸血鬼との実戦に入っていく。
かつて家族を犠牲にしてしまった後悔から
他人との接触を避ける傾向にあった彼。
だが、たった一人では強大な吸血鬼達を
相手に生き残る事は出来ない。
優一郎は仲間と協力して戦う事を覚え、
そうして得た仲間を守りたいという想いが
また彼を一層強くしていく。
敵と戦う術を手に入れ始めた優一郎だったが
それでも吸血鬼は強大で苦戦を強いられる。
そして吸血鬼の一段の中に、かつて同じ
孤児院で過ごした親友「百夜ミカエラ」の
姿を見つけた優一郎は動揺する。
自分を守るために死んだと思っていた友は、
吸血鬼となって生き延びていた。
終わりのセラフのネタバレと今後の展開は?
物語の鍵を握ると思われる存在が、
作品名にもなっている「終わりのセラフ」。
人類側はこれを吸血鬼と戦うための
兵器として研究開発している。
その被験体とされた者の一人が
主人公である百夜優一郎だった。
優一郎以外にも、
彼の周辺人物(同じ孤児院の出身者や
同じ戦闘部隊の仲間)が同様の立場にいる。
この「終わりのセラフ」は吸血鬼側に
言わせれば「人が触れてはならぬ禁忌」
実際に人類側もその強大な力を
完全に制御できてはいなかった。
また、8年前に起きた人類社会の壊滅の
原因についても吸血鬼側だけでなく人類側が
大きく関与している可能性が示されている。
他にも人類と吸血鬼の中に
一部スパイが紛れこんでいる…。
そして、
両種族がぐるになり何か大っぴらに出来ない
計画を進行させている様子も描かれている。
このように
主人公達が本当に戦うべき相手は誰なのか、
ストーリーが進むにつれ不確かになっていく
優一郎とミカエラもそれぞれ純粋な人間や
吸血鬼とは言えない存在へと変わっていく。
これら様々な状況を解決するために
吸血鬼と一時協力体制を取る展開に突入し、
事態はますます複雑化していく。
終わりのセラフの読んでみた感想・評価
まずキャラクター同士の会話が面白いため
読み進めるのが楽しい。
ストーリー展開も上手くできており、
話の続きが気になる謎が幾つも出てくる。
謎が一つ解決しても、
その頃にはまた新しい謎が生まれる…。
黒幕と思ったキャラクターと遂に対面しても
また更なる黒幕の存在が匂わされ…
…といった具合に読者を退屈させない。
話を引っ張る主人公、百夜優一郎も
物語開始直後はその置かれた環境から
とんがった部分を見せていた…。
だが、物語を通じてどんどん成長していき
好感を持てるキャラクターだった。
成長が始まってからの明るくサバサバとした
言動は、暗い要素が多いこの世界観の中で
見ていてとても気持ちがいい。
絵も連載開始初期から上手いので
ストレスなく読む事が出来た。
絵が分かりづらくて戦闘シーンで
混乱するなんて事もない。
かっこいいキャラクターはここぞという時は
本当にかっこいい。
可愛いキャラクターもヒロインを始めとして
多数登場して誌面を華やかにしてくれる。
終わりのセラフはこんな方におすすめな作品!必見
バトルものだが敵を倒す事よりは
家族や仲間とのやり取りに
比重が置かれているように思える。
なので、そういった
人間ドラマが好きな人に読んで欲しい。
作者である鏡貴也さんが執筆している
ライトノベル「伝説の勇者の伝説」シリーズ
も同じような傾向にある。
そのため、過去にそれを読んで
楽しめた人ならば「終わりのセラフ」も
好きになれるかもしれない。
メインとなる登場人物達もイケメンや
美少女がそろっている。
また表紙を飾るキャラクターは
物語から退場する事もそうそう無く
活躍し続けてくれる。
気に入ったキャラクターがいれば
買ってみても損はない。
世界観や用語も細かく設定されており、
いわゆる厨二病が好きな人には
好評だろうと思われる。
ファンタジーものやバトルものの
ライトノベルを読むのが好きな人にも
紹介したい一作である。
同じような漫画としては
『進撃の巨人』が挙げられる。
人類の天敵の出現…
狭い圏内に押し込められて
劣勢の戦いを続ける人類軍…
復讐者としてスタートする少年主人公…
などの共通点が見受けられる。
また主人公達が武器とする
「固有の特殊能力を持った刀剣類」といった
要素は漫画『BLEACH』を連想させる。
そんな作品になっています。