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青い鳥症候群のネタバレと感想です!結末ってどうなる?

青い鳥症候群

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 青い鳥症候群
原作・漫画 河野やす子
出版社 小学館

美貌と優しい物腰を持つ少女、
二宮杏奈。

しかし彼女は、自らの父親が
犯した罪を償うべく、
幼馴染を手助けしていく中で、

頻繁に金持ち相手の
詐欺を繰り返していくことになり……。

明確な「悪」を行いつつも、
その罪悪感を忘れられない杏奈が
世の人々の間を渡り歩く、

大胆な手口と繊細な描写が衝撃的な、
かつて実写ドラマ化もされた、
クライム・ストーリーの傑作です。

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青い鳥症候群のあらすじ紹介

とても美人で優しそうな
風貌をしている二宮杏奈。

しかし彼女の正体は、
金持ちばかりを狙った詐欺師でした。

言葉巧みに相手に近付いては、
時に標的を誘導するような話術を
全力で駆使して大金をせしめる、

そんな杏奈の目的は、
幼馴染の慎吾への贖罪でした。

杏奈の父親が犯した罪により、
両親が死に追いやられ、
自分もまた精神に深い傷を負った、

言わば犠牲者である慎吾を救うため、
杏奈は悪事を繰り返していたのです。

しかしその行為は紛れもない詐欺で、
人の好意を踏みにじる悪行に違いなく、
彼女は常に罪悪感を覚えていました。

青い鳥症候群のネタバレと今後の展開は?

若く美しい女性、二宮杏奈。

遠く離れた病院まで、
幼馴染の慎吾を見舞いにいく、
清楚で優しい女性でしたが、

一方で彼女は人を騙し、
大金をせしめる詐欺師でもありました。

それは自分の父親の事件によって、
両親が亡くなり、自身も心身に
強烈なダメージを負った慎吾の、

治療費を稼いだりといった
シビアな理由からでしたが
だからこそ杏奈は徹底します。

ふとしたやり取りからでも
「標的」を見つけ出して、
言葉巧みに近付き、

何らかの理由でお金を出すように
相手の心理を誘導していき、
そして速やかに去っていく。

それが杏奈の「仕事」でした。

そして今回もまた、物産会社社長の
鳥飼氏の息子道郎に狙いを定め、
うまく距離を縮めていくとともに、

「実はお腹には前の彼の赤ちゃんが」と
嘘の「告白」をした上で、道郎が
彼にそっくりだと迫ります。

そしてその後も何度も会い続け、
すっかり「本気」になった道郎は、
結婚したい相手だと杏奈を両親に、

紹介するところにまで至ります。

しかし杏奈は自分の「真実」の
一部を明かして結婚の予定を
解消してみせますが、

それこそが杏奈の
真の狙いだったのです。

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青い鳥症候群の読んでみた感想・評価

ちょっとした「騙し」を入れるのかと
読み進めていったのですが、
かなり本格的でビックリしました。

本作はまず「主人公が詐欺師」という
斬新な設定に驚かされます。

しかもその「犯人」の杏奈は、
とても悪事をしそうには見えない
品の良い美貌の持ち主で、

さらには父親の悪事が原因で、
心にダメージを負ってしまった慎吾を
面倒を見るという優しさもあります。

しかしその優しさ故に、詐欺という
かつて父親がしたのと同じような、
あるいはより悪質な道に、

どんどんと進んでしまうのですから
読んでいる側としても
何だかやるせなくなってしまいました。

一方で慎吾にだけは、自分の真の姿を
知られたくはないために、
髪型までをも変えてしまうという、

杏奈の切ない乙女心には
心底から共感できるような
瑞々しさも感じました。

暴力でも組織でもなく、
あくまで自分の責任で騙し、
そして私服を肥さないという、

詐欺の犯人にしては異質な行動が
彼女に嫌悪感を抱くのを
妨げてくれますし、

杏奈の「間違った」ひたむきさが
生み出す「仕事」の巧さは
思わず舌を巻くものがありました。

とは言え、口先三寸でまとまった金を
騙し取らねばならない性質上、
特に悪くない人も的にかけねばならず、

事が済んだ後のモヤモヤした気持ちも
常に味わうことになるのも否めません。

杏奈が間違った「献身」をやめて、
普通に生きていくことこそが、
慎吾たちの真の望みには違いなく、

早く気付いて欲しいと
読者をやきもきさせるだけの
魅力があることは確かですね。

青い鳥症候群はこんな方におすすめな作品!必見

振り込め詐欺に怪しい勧誘メール、
そしてデート商法などなど、
近年非常に目立っているのが「詐欺」です。

人の心に付け込んで大金を奪うだけに
単なる盗みよりもある種嫌悪感が強く、
それ故創作に登場しても、ほとんどの場合、

主人公は悪い「騙し」に対峙する形で、
プロの詐欺師をテーマにしたヒット作、
「クロサギ」でもその構図は同様でした。

しかし主人公の杏奈は、正真正銘の
金をだまし取る詐欺師であり、
その額はかなりの高額です。

もっともその背景にはかつて父が
横領で親友の両親を死なせてしまい、
ショックで精神的に傷を負った慎吾の、

面倒を見るという償いからですが、
結局人を騙していることは変わりません。

しかし杏奈は、あくまで物腰柔らかで、
暴力も金も「女の武器」さえも使わず、
標的を仕留めていきますし、

自分の「悪」に非常に自覚的でもあります。

だからこそギリギリのところで
嫌悪感は抱かずに済みます。

美しく、しかし悲しい詐欺師の物語を
満喫したい方には、本作は最適です。

また、単に相手を騙せて満足ではなく、
そこに常につきまとう後ろめたさや
徐々に忍び寄ってくる罪悪感など、

杏奈という女性自身の内面をも
繊細に描き出しているのもポイントです。

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