タイトル | パーフェクトワールド プチキス |
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原作・漫画 | 有賀リエ |
出版社 | 講談社 |
再会した初恋の彼は障害者だった――
彼の隣にいて初めて分かる、
無遠慮な視線、会話・・・
それでも強く生きる彼は
今でもまぶしい存在で・・・
しかし二人の間には、
彼が障害者である、という
大きな壁があるのだった――
一途な恋心と
障害者の現実を描く
有賀リエ原作の切ないラブストーリー
パーフェクトワールド プチキスのあらすじ紹介
川奈つぐみは取引先の飲み会で
高校時代の同級生
鮎川樹(あゆかわいつき)と再会する。
樹は高校の時からの夢をかなえ、
一級建築士になっていた。
樹の成功と見た目の格好よさに
ほれぼれしてしまうつぐみ・・・
しかし樹は、大学生の時の事故で、
歩けない体になっていたのだった。
車イスの人と簡単に恋愛などできない――
そう話す同僚に、つぐみは言い返せない。
ある日、大事なコンペの前に
樹は突然高熱を出して入院してしまう。
ベッドに横たわる樹の姿を見て
つぐみは初めて障害者の現実を知る・・・。
パーフェクトワールド プチキスのネタバレと今後の展開は?
川奈つぐみと鮎川樹(あゆかわいつき)は
高校時代、将来の夢をよく話す仲だった。
樹に淡い恋心を抱いていたものの、
何も伝えることなく卒業したつぐみ・・・。
つぐみは樹と飲み会で再会した時、
樹が建築士という夢をかなえたと聞き、
自然と胸がはずんだ。
しかし、樹が歩けない体になったと知り、
気持ちに壁ができてしまう。
樹にも恋愛はしない、と言われ
突き放されるつぐみ・・・。
そんな時、樹が大事な仕事の前に
高熱を出して入院したと知らされる。
下半身がマヒしている樹が
いかに大変な生活を送っているのか
この時初めて、つぐみは知るのだった。
樹はコンペに間に合わせようと、
高熱の中、吐きながらも仕事を続ける。
つぐみは樹のそんな姿に心打たれ、
最後の着色を手伝いたいと言う。
無事コンペの絵が仕上がった時、
樹に心からのお礼を言われたつぐみは、
樹にまた恋していると気が付くのだった。
コンペの後、つぐみは樹から
前の彼女と別れたのは、
障害が理由だったと聞かされ・・・?
パーフェクトワールド プチキスの読んでみた感想・評価
障害というハンデを負いながら
懸命に生きる樹の姿に
心打たれました。
樹が熱を出しながら
必死で仕事をするシーンには
本当に胸が熱くなりました。
つぐみが止めさせようとしたときに
樹が叫んだ台詞は、
心の叫びだったのだと思います。
こんな風に、
何かをやったことがあるだろうか?
と自分を考えると、ありません。
つぐみはそんな樹を好きになりますが
樹は障害者であることを理由に
恋愛自体を拒否しています。
こんなに必死に生きて
頑張っている人が、
何故恋愛をしてはいけないのか?
と悲しくなりました。
そう思う反面、
ここに描かれていることは
現実にもあり得ることなのではないか・・・。
と思ってしまいます。
同僚の言っている言葉は
ある意味現実です。
そして、つぐみも
樹に恋をしていくうちに
この恋が簡単でないと感じていきます。
それでもどうか
この二人の恋が上手く行きますようにと
願わずにはいられません。
つぐみと樹の二人が、
これからどのようにかかわっていき、
気持ちがどう変わっていくのか・・・。
目が離せません!
パーフェクトワールド プチキスはこんな方におすすめな作品!必見
切ないラブストーリーが好き!
という方に人気の作品です。
つぐみの樹への感情は
とても一途なものとして描かれています。
初恋の男の子が障害者だと知っても、
また恋に落ちてしまいます。
この恋は簡単ではない、大変だと
分かっていたはずなのに・・・。
しかし、気持ちが決まってからは
不安になることはあっても
好きという気持ちは変わりません。
相手に拒否されても
ずっとひたむきに、愛情を注ぎ続けます。
しかし、二人の間には
樹が障害者であるという
大きな壁があるのです。
つぐみは樹の障害を前に、
十分なケアができるのかどうか
心からの自信が持てません。
樹は過去の経験から
恋人に負担をかけると考え、
恋愛に臆病になってしまっています。
二人にできてしまった心の距離が
とても切なく、悲しく表現されています。
そんな中でも、つぐみは一心に
樹に愛情というぬくもりを
伝え続けるのです。
乗り越えなければならない現実と
一途な恋心の切なさで
胸いっぱいになる作品です。