タイトル | 箱庭のソレイユ |
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原作・漫画 | 川端志季 |
出版社 | 集英社 |
瀬名あさひにとって大切な場所、
そして大切な人・・・
幼い頃に同じ絵画教室に通っていた、
天使こと点治は殺人者だった。
たった一人、天使を庇う発言をした
あさひは天使と会わなくなって
5年が過ぎました。
天使は人殺しなんかしてない!
そう伝えるのでした。
箱庭のソレイユのあらすじ紹介
天使が先生を殺してから、
マスコミがこぞってニュースを
流していました。
あさひに対しても取材が来ます。
天使ってどういう子だったの?
乱暴だったとかそういうのあった?
天使は良い子だった・・・
そう伝えるも、誰も信じようとせず
聞く耳を持ちませんでした。
あさひは証拠があると言いました。
ーそれはー
天使が先生をモデルに描いた
一枚の美しい絵・・・
こんな素敵な絵が描ける子が
先生を殺すわけがない!!
そう言うあさひに対してマスコミは、
どうする?絵を貰っとく?
対応にがっかりしたあさひは、
その場を急いで去ってしまいました。
箱庭のソレイユのネタバレと今後の展開は?
いつもまでも
天使の事が忘れないあさひ・・・
ある日突然、学校に転校生が現れます。
ん?!どこかで見たような。
なんとそれは!!天使でした。
嬉しい気持ちを隠せない程に感じます。
ですが自分が天使と話すと、
天使の過去が明らかになってしまう。
その事を恐れたあさひは
自ら話し掛ける事をしませんでした。
カッコいい天使は、他の女子から大人気
しかし当の天使は素っ気ない様子です。
そして天使自身から、
あさに話し掛けて来ました。
そして一緒に帰る事になった二人。
5年間、どこで何をしていたのと
問いかけます。
天使は、有希先生を殺したのは
間違いなく自分だと言います。
そこに何かしら納得の出来ないものを
感じるあさひ・・・
命日になると有希先生の
お墓にお花を届けていたあさひは
そこで先生の唯一の肉親と出会います。
有希先生の弟の伊月さんは、
事件の真実が知りたいと
あさひの話を聞きたいと言いました。
天使と伊月さんは二人で話し合って、
和解したとあさひに伝えました。
天使が本当に守りたかった
真実がそこには有りました。
箱庭のソレイユの読んでみた感想・評価
とても心に残る、
素敵な漫画だと思いました。
そして天使の優しさと
強さも知りました。
でもそれは本当の意味で、
正しい決断であったのかは分かりません
何が正しくて、そして間違っているかは
きっとそれに関わる本人達が決める事
だと思うからです。
天使がとった行動によって、
間違いなく誰かの運命が変わったし
誰かが救われて、そして傷ついた・・・
そんな風に感じました。
幼いながらに、自ら選択し
その行動を選びとっていたと
あさひの母親は言っています。
きっと切実なものを感じたのかも
知れません。
天使は幼い頃に虐待を受けていて、
それに気付いてくれて相談に行こうと
話してくれたのがあさひの母親だった。
あさひの母をふくめて、
天使にとってあさひは何があっても
守りたかった人なんだと思います。
過酷な環境の中で幼い天使には、
唯一それしかなかった
のかも知れません。
美しい絵を描く少年・・・
あんな優しさ溢れるキラキラした
絵を描く事が出来る少年に、
人殺しが出来るなんて思えません。
箱庭のソレイユはこんな方におすすめな作品!必見
守りたい人がいて、その人の事を
真剣に考えてる人がいる・・・
その思いの強さにハッとする作品です。
好きな人や大切な人がいる方には
共感出来るストーリーだと思います。
読んだ後に、
心がほっこり出来る漫画です。
守っているつもりが、
実は自分が守られていたんだ!
それに気付いた時に、
自分はその相手に対して
何が出来るだろう。
何も出来なかったとしても、
どんな生き方を示せるだろう。
どうやって恩返しをしたら良いだろう。
そんな風にこちらも考えてしまいます。
たぶん個々の思いはシンプルな
ものなんだと思うのです。
人間て不器用で、
それだから愛らしいのだと思います。
罪を庇った5年間は、
犠牲になったんじゃないですよね。
守りたい相手を大切にした、
誇らしい時間だったと思います。
それが正解だとか不正解だとか、
正しいと間違いとか・・・
そういう次元では無くて、
なんて言ったらいいんだろう。
強くて儚い夢のようなもの・・・
そう形容するよな、大切な事柄を
守っていたんだと思いました。