タイトル | 魔法使いの嫁 |
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原作・漫画 | ヤマザキコレ |
出版社 | マックガーデン |
主人公は生まれつき人ならざるものを
見ることができるため家族からも
他人からも疎まれ、孤独と不幸の中に
生きてきた「チセ」と呼ばれる
15歳の少女です。
「チセ」は、特殊な魔法的性質を持ち
「夜の愛し仔(スレイ・ぺガ)」と
呼ばれる珍しい存在であり、
エリアスという魔法使いの
弟子兼嫁となる話です。
魔法使いの嫁のあらすじ紹介
主人公チセは、本人も承知の上で
珍しい能力を買われ人身売買に
かけられたところから話ははじまる。
魔法使いエリアスは、特殊なチセの持つ
特別な魔法使いとしての潜在能力を
高く評価し、人身売買にかけられている
主人公を破格の価格で競り落とし、
嫁宣言をした。
主人公は、自身の能力を制御することが
できず、後3年しか寿命が持たないため、
エリアスは彼女の寿命を延ばす
算段をしている。
エリアスの弟子になってからは、
彼女自身が少しずつ前向きな
気持ちが持てるようになってきた。
魔法使いの嫁のネタバレと今後の展開は?
主人公は過去に、複雑かつ悲惨な
思い出を持ち、彼女の母親が彼女の眼の前で
投身自殺し、生きることに疲れ果てていた
ところに、彼女の能力が買われ、
人身売買の話しを持ちかけられたときは、
彼女は自ら承諾してしまう。
そんな彼女を破格の価格で競り落とした
魔法使い エリアスは彼女に、自身の
弟子になることと同時に、
嫁になることを要求した。
突然の話しに戸惑う彼女であったが、
エリアスを始め、彼女の周囲に
たくさんの理解者が増え、彼らとの
交流を通じて、彼女の厭世的な態度が、
段々と前向きなものに変わっていく。
また、彼女はエリアスとの交流を通じて、
エリアスをパートナーとして
認めるようになっていく。
エリアスは、一見、紳士然としているが、
中身は、引きこもりがちな
人間嫌いであり、常識があるように
見えて事実、常識が欠けていると
みられる言動をしばしば行い、
周囲をあきれさせる。
また、主人公が自分以外の人物と
親しくしていると子供っぽい嫉妬を
抱くことがしばしば見受けられる。
主人公もそんな彼を知ってか知らずか、
自分の身を犠牲にして、他者を
助けることに自身の存在価値を
見いだそうとするため、エリアスの
心境は大変に複雑である。
魔法使いの嫁の読んでみた感想・評価
主人公とエリアスがそれぞれ、どこか
欠けたものを持ちながらも、
不器用ながらにも互いに
尊重しようという態度には
好感が持てます。
主人公は自分の能力のせいで
周りの人たちを不幸にすると考え、
自分が生きることを
肯定できずにいました。
一方で、エリアスも大変長い時間
生きてきましたが、生きることに疲れ、
人間との交わりをできるだけ避けつつ、
静かに暮らしていました。
しかし、主人公との出会いを通じて、
主人公を失いたくないという強い気持ちを
持つようになり、止まっていた彼の時間が
動き出したようでありました。
このまま、自身で能力が制御できないと
後 3年も持たずに寿命が尽きてしまう
主人公の運命を二人で力を合わせて
どのように乗り越えていくのか、
これからの話が
大変楽しみであります。
世界観がとても洗練されており、
よく作り込まれているので、物語の中に
どっぷりと漬かることができ、舞台である
現代ロンドンの中に物語が
非常に良く溶け込んでいます。
魔法使いの嫁はこんな方におすすめな作品!必見
魔法使いの嫁は、非常に設定が
作り込まれた上質なファンタジー
作品であると思います。
ファンタジーが好きな人はぜひ
一度読んでもらいたいと思います。
魔法は作品の中では重要な役割を
果たしますが、作品は人間ドラマを
非常に重視しており、主人公の
内面的成長がとのようになされて
いくのか、物語が進めば進むほど
物語に引き込まれて行きます。
細かい設定もこの漫画の魅力であり、
様々な場所に物語が進行していく
布石が張り巡らされており、それを
探すのもこの漫画の面白さの
一つかもしれません。
現実には考えられない、非日常的な
中に、非常に現実感を伴いながら、
展開されるストーリーに驚かされます。
また、イラストが大変美しく、イラストの
美しい漫画を読みたいと思っている
人にもお薦めの漫画です。
似た作品には、これも、
ヤマザキコレさんの作品で、
「とつくにの少女」があります。
この作品も、主人公の少女と一人の
人外がでてきますが、ミステリアスな
雰囲気が素敵な作品です。