タイトル | プライド |
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原作・漫画 | 一条ゆかり |
出版社 | 集英社 |
オペラ歌手を夢見る史緒と萌のバトル。
オペラに留まらず、そこに男性をめぐる
バトルも加わって、オペラを知らずとも
読み応え十分です。
「さすが、一条ゆかり!」と言いたくなる
物語の展開。
1巻読み終えたら知らず知らずに
次の巻に手を伸ばし、
一気に読み終える作品です。
プライドのあらすじ紹介
亡くなった母はオペラ歌手のお嬢様育ちの
麻見史緒、その家にクリーニング
サービスとしてやって来た緑川萌。
二人の出会いから物語は始まります。
史緒の父親と一緒に行くはずだった
オペラに父親が行けなくなったため、
史緒と萌は一緒に行きます。
そこで二人はこの後、二人の人生に
絡んでくる男、神野と出会います。
もう顔を合わすこともないかと
思っていた二人はオペラコンクールで
再開し、萌は神野の入れ知恵で
史緒を動揺させ歌えなくさせてしまいます。
史緒の父の会社が倒産し、史緒は
神野の行きつけの銀座の
クラブ・プリマドンナで歌手して
歌うことに。
そこにまたも現れる萌。
クラブの歌手として歌うことが物足りない
史緒に神野はパトロンにと言う名の
結婚を持ちかけます。
それを受けつつもプリマドンナの
ピアニスト蘭丸に淡い
恋心を抱く史緒。萌はと言えば
神野に恋をして…。
オペラと恋と、そして切っても
切れない史緒と萌の関係。
そこに絡む神野と蘭丸。
史緒と萌の切れない関係はなぜか?
それは読んでのお楽しみです。これは
女同士のバトルの物語であるとともに、
ある意味二人のラブストーリーとも
読めるような物語です。
プライドのネタバレと今後の展開は?
史緒の母親が死んだのは史緒を
かばって交通事故にあったためで、
コンクールの舞台袖でそれを萌に
知らされる史緒。
自分が有利になるためなら
手段を択ばない萌。
プリマドンナで史緒と萌が二人で
歌うことになり、顔を見るほど嫌いな
相手なのにいざ歌い始めるとまるで
何年も前から一緒に歌って
いたかのような歌が!
二人歌に合わせてピアノを弾いていた
蘭丸は三人での音楽活動を持ちかけます。
史緒のパトロンになることになった神野は
史緒と萌と蘭丸が三人で音楽活動
(SRM)を始めたのが気に食わず、
まずは萌を海外留学させ
追い払おうとします。
が、萌に史緒との婚約がばれて
史緒に襲い掛かる萌。
萌は予定通り留学し、留学先で
レイプされ、生きるためにデブで
オタクのさえないマルチェロと
同棲を始めます。
萌がそういう辛い境遇にあるとき
史緒に急な留学のチャンスが巡り
留学できることに。
蘭丸はSRMの活動で世界的な
ピアニストのベティに認められ、
ベティと共に音楽を始めます。
別々の道を歩み始めたように見えた
三人ですが、SRMがまた
三人を結びつけます。
そこで、また事件は起こり…。
プライドの読んでみた感想・評価
萌ちゃんは、これでもか!
というくらい酷い目に合います。
それが萌ちゃんのエネルギーに
なるのですから萌ちゃんは強いです。
史緒クンは史緒クンでお嬢様から
転落してのクラブ歌手ですが、史緒の
母を好きだった神野との結婚する未来は
あるわ、おまけにオペラ留学もできるわ、
留学先でもいきなり舞台に立ててしまうわと
萌の境遇からしたら恵まれてます。
それは萌ちゃんに「あの女ばかり!」と
思われても仕方ないでしょう。
個人的に一番気の毒だと
思うのは蘭丸です。
最初は史緒に片思いされていて
戸惑っていたのに、うまく
いきそうになった頃に実は史緒と
神野が結婚の約束をしていることを知り、
神野にはハイエナ呼ばわりされるし。
史緒と萌とSRMを組めて音楽活動が
できたことが彼の唯一の救いでしょう。
それでベティにも認められた訳だし。
最終回で神野の子供を身ごもっている
萌に「産みなさい!神野さんの子供なら
わたしが育てます!」と言えちゃう
史緒クンはカッコいいし、生まれた
美恵ちゃんを通じて史緒と萌は
離れられない関係なのだと
痛感させられます。
プライドはこんな方におすすめな作品!必見
最近多い口当たりのいい
軽いマンガでは物足りない、
人生はきれいごとだけじゃない、
昔読んだような本格的なストーリー
マンガでしかも大人向けのマンガが
読みたいと思う大人の女性にオススメです。
一条ゆかりの「デザイナー」や
「砂の城」を読んで育った世代には
あの世界が今に蘇るように感じられ
たまらないでしょう。
一条ゆかりは「有閑倶楽部」
じゃないんです。
こちらの世界が一条ワールドだと
感じること間違いなし。
東海テレビの昼ドラのような
ドロドロ系ラブストーリー好きな方にも
読んでもらいたいです。
そういう方も繰り返し
読みたくなること間違いなし!
女同士のバトルとはちょっと
(かなり)違いますが、
惣領冬実の「チェーザレ」も
オススメしたいです。
言わずと知れたチェーザレ・ボルジアの
物語ですが、こちらも人生は
きれいごとじゃないという話で、
物語もしっかりとしていて
読みごたえがあります。
歴史好きな方には特に
おすすめできる上質な作品です。