タイトル | 人類ネコ科 |
---|---|
原作・漫画 | みず谷なおき |
出版社 | 小学館 |
通称「にゃんにゃん荘」での
生活を余儀なくされた女ギライの主人公、
七瀬北斗と学校のマドンナで天然娘
谷山舞奈の二人を中心に織りなす、
若くしてこの世を去った鬼才、
みず谷なおきが放つ、一風独特な
雰囲気の学園コメディ。
人類ネコ科のあらすじ紹介
父親の海外赴任を嫌がり、日本で
一人暮らしをする事となった主人公
七瀬北斗は、同じ下宿に住む
女子大生の生態を目の当たりにし、
女ギライになってしまう。
バレンタインデー当日、そんな
北斗のの机の中にチョコレートが。
出人は学校のマドンナ的存在の
谷山舞奈だった。
始めは舞奈のことを面倒に
思っていた北斗だが、彼女の
一途な思いに心を動かされ、ついに
二人は付き合うことになる。
二人の交際を面白く思わない
周囲の男子生徒や、過去の
後輩女性瑞穂の横やりが
ありながらも、二人は
付き合いを深めていく。
しかしある日のデート中、舞奈は
北斗から日本を離れるかも、
との告白を受ける。
悲しみにくれる舞奈、しかし
北斗の父親から思いもよらぬ
提案を受ける。
その言葉に舞い上がる舞奈だが
その話を聞いた舞奈の父親が激怒。
二人の喧嘩はお互い引かず平行線に。
そして舞奈は強硬手段に出る。
その後の舞奈と北斗を待ち受ける運命とは?
人類ネコ科のネタバレと今後の展開は?
北斗から日本を離れるかもしれない、
と告白され一度は悲しんだ舞奈だったが、
北斗をオーストラリアどうしても
連れていき、家族三人で暮らしたい
北斗の父親の「結婚しなさい」と
いう言葉を真に受けて
その気になってしまう。
そして結婚の話を両親に話すが
当然のごとく父親は大反対。
幾度も話し合いは続いたが、お互いに
歩み寄ることはなく平行線のまま終わる。
強硬手段を匂わせた舞奈を両親は寝ずに
監視するが行動の気配はなく、
安堵するも、実は舞奈はあらかじめ
トランクケースを庭先に隠しておいたのだ。
両親を出し抜いた舞奈は
難なく家出を成功させる。
行先は北斗の下宿。
押しかけられた北斗だけでなく
下宿の住人
たちも困惑する中、
下宿に父親と共に一時帰国していた
北斗の母親が姿を見せる。
今回のトラブルの原因が北斗の
父親に起因することを理解した母親は、
北斗をそのまま卒業するまで
日本で生活させることを決断、
二人に伝えた。
反対する北斗の父親をねじ伏せ、
二人は今まで通りの生活に
戻ることになり、北斗と舞奈の
父親以外にとっては納得の
大団円となったのだった。
人類ネコ科の読んでみた感想・評価
やっぱり最初に挙げたいのは、
物語全体を通して散りばめられている
コメディセンスですね。
日本人っぽいウェットじゃなくて、どこか
乾いたちょっとアメリカのドラマみたいな
エッセンスを感じさせる
スラップスティックなセリフとか行動とか、
どこを読んでも思わず笑ってしまう
シーンがあるのが最高ですね。
お涙頂戴なシーンもあって結構あざといのに
気が付いたら泣きそうになってて、
あれも力量のなせる技ですかね。
次に信じられないほど絵が綺麗。
作家さんのアシスタントをしていた
せいか、書き込みが尋常じゃないくらい
細かいらしくて、この作品がヒットした後、
週刊連載の話があったのに、レベルが
維持できないからと断ったくらい自身の
作品にはこだわりが強くて、
それだけに本当に絵は素敵ですね。
後キャラクターも一人一人の個性が
立ってていいですね。
個人的には北斗が暮らす下宿の住人、
真琴さんが好きです。
彼女の傍若無人でありながら、実は
寂しがり屋で人情の機微がよくわかる
優しい人柄が本当に素敵だと思います。
それともう一つ、名古屋に住んでる人は、
登場人物の名前に思わす笑ってしまう
かもしれないですね。
人類ネコ科はこんな方におすすめな作品!必見
少女漫画のように恋愛沙汰が
泥沼で、読み終わった後、ちょっと
気分が沈んでしまう、そんな物語とは
対極で、本当に話がすっきり
あっさりしているので、そういう風に
重たい話は苦手だけど
という人にはおすすめですね。
最初から最後まで、本当に
重たくなり過ぎず、軽妙なタッチで
話が展開していくんですよ。
その辺りのみず谷先生しか描けない
独特のタッチは素敵なので、
こういう作品が好きな人には
是非読んでもらいたいです。
それからアメリカのドラマみたいな
アメリカンジョークや軽妙なトークが
好きな人もおすすめです。
北斗と親友の守山、二人の掛け合いとか、
それだけではなくて他の登場人物同士の
会話も本当に面白くて、愉快ですから。
あまり日本の作家さんには
見られないタイプですね。
後、画力を重視する人にもいいと思います。
全編すっきりしてて見やすいです。
その辺はクオリティにこだわるあまり、
アシスタントの手を借りる事を
拒否し続けたみず谷先生ならではだと
思います。
下手な絵だとストレスを感じてしまう人は
読みやすい作品だといえますね。