タイトル | プレ・マリ |
---|---|
原作・漫画 | 上田美和 |
出版社 | 講談社 |
全寮制の花嫁学校に通う、
百福杏珠十五歳。
学校のウリである
「プレ・マリ(擬似結婚式)」を
彼氏の亮介と「挙式」しようとするも、
重過ぎる「愛」のために逃げられ、
しかし別の友人悠真から
プロポーズをされることに。
強烈かつ斬新な設定とキャラ達が
独特の世界観を作り出し、
シリアスな辛さを緩和させてくれる、
結婚願望系ラブコメディです。
プレ・マリのあらすじ紹介
全寮制の花嫁学校に通う
百福杏珠は、彼氏の亮介と
プレ・マリ(擬似結婚式)を、
皆の前で行うことに。
しかし、まだ十五歳なのに
結婚式をした上、婚姻届を
見せつけられた亮介が、
メンタル的に限界に達し
「式場」を脱出。
彼を追った杏珠は、
実は亮介と杏珠の親友結女が
交際していたことを知ります。
恋人と親友を一緒に失う
不幸な目に遭った杏珠ですが、
もう一人の友人悠真から、
プロポーズを受けたことで
再び上機嫌になります。
しかし、それに嫉妬した
杏珠の父親でAV男優の
ラクガン寿が一方的に、
悠真を襲撃したりと
騒動は盛りだくさんで、
一筋縄では行かないのでした。
プレ・マリのネタバレと今後の展開は?
全寮制の花嫁学校に通う
百福杏珠はまだ十五歳ですが、
自らの「結婚式」に臨んでいました。
この学校には生徒が臨めば
擬似結婚式をやって貰えるという
変わったシステムがあり、
その式に彼氏の亮介と共に
参加することにしたのです。
しかし、ウキウキの杏珠に比べて
亮介は緊張しまくりで
まったく周りが見えていません。
それでも何とか誓いの言葉を
口にすることができた亮介に
杏珠は婚姻届を贈ります。
その重過ぎるプレゼントに
限界に達した亮介は
たちまち式場を飛び出して、
杏珠も彼を追う羽目になりますが、
そこで見たのは亮介が杏珠の親友、
結女が抱き合う姿でした。
感情に任せて踏み込んだ杏珠と
その友人悠真でしたが、
以前から亮介と結女は交際しており、
杏珠は親友と恋人を同時に
失うことになってしまうのでした。
悠真は落ち込む杏珠を必死で慰め、
俺と結婚するかと問いますが、
杏珠は本気にしたりせず、
悠真を不機嫌にさせてしまいますが、
彼の好意を受けられたこと自体が
嬉しいと杏珠は上機嫌になります。
そんな中杏珠の父親であり
AV女優のラクガン寿が
講師として学校に来訪、
しかし素っ気なくされた杏珠から
プロポーズの話を聞かされて
怒り心頭になり、
見かけた悠真を連れ去り縛って
強烈な責めを加えたりと
トラブルは続いていくのでした。
プレ・マリの読んでみた感想・評価
冒頭から驚きの連続ですが
辛い話を笑いに変えられる
逞しい面白さが印象的でした。
本作の特徴は何と言っても
個性的過ぎる学校です。
全寮制の花嫁学校という
設定からしてとても独創的ですが、
生徒側の希望によって、
まだ結婚できる歳でもないのに
「結婚式」を挙げられるのは、
正直衝撃を受けました。
年収や将来性を吟味する
「大人の恋」とは違って
「好み」で付き合えるのが若者ですが、
仮に別れることがあっても
あまり後に引きずらず、スパッと
次の恋にいけるのが一般的だったはず。
しかし法的に拘束力がないとは言え、
学校の仲間や先生方に囲まれた状態で
「挙式」をしてしまったら、
すぐに別れるなどとは、
とても言い出せなくなります。
この「重さ」は普通の大人の恋愛でも
味わえない種類のもので、
さらに婚姻届まで突きつけられたら、
杏珠には気の毒ですが、
逃げ出してしまう亮介の気持ちも
理解できてしまいましたね。
しかも杏珠のお父さんは
現役バリバリのAV男優ですが、
学校の授業に呼ばれたり、
誤解から悠真を縛って
鞭責めにするなど
色々な意味で豪傑です。
杏珠がこの縛りがキツい
学校に入り「お嫁さん」を
目指す事情など、
様々な重い話はあるのですが、
全体的にキャラがパワフルなので
辛い雰囲気にはなりません。
現実から気持ち良く離れた点で
良い意味で漫画らしい作品を
満喫することができましたね。
プレ・マリはこんな方におすすめな作品!必見
結婚は女性の憧れとは良く耳にします。
一方で夢を形にして、憧れる生徒を
そこに近付けていくのが、学校の
とても重要な役割の一つです。
そのため結婚式場で働く人を
育成する学校は人気がありますが、
本作は実際に「結婚式」を、
皆の前で開催してしまうんですね。
だからこそ生じるドタバタや
人間ドラマの面白さは
他の作品にはない斬新さがあり、
今までにはない恋愛作品を
読みたいという方には
まさにうってつけの一作です。
確かに制限があるのは入籍であり、
誰でも結婚式をすることは
可能ではあるのですが、
まだ結婚もできない年齢の男女に
公開の公式行事として
模擬結婚式を行うという学校は
実に強烈と言わざるを得ません。
主人公の父親も、思い込みで
人をさらって鞭責めにするなど
とにかく超個性的であり、
色々と垣間見えるかなり重い
大人の事情が吹き飛ぶほどの
パワーを秘めてもいます。
空回りや純愛などの
恋愛漫画の王道を楽しみつつ、
とてつもないインパクトのある
キャラや世界を全力で
満喫したい方にもオススメです。