タイトル | オトメン(乙男) |
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原作・漫画 | 菅野文 |
出版社 | 白泉社 |
剣道日本一で空手も柔道もこなす、
男の中の男、正宗飛鳥。
しかし彼には、可愛い物が超好きな
乙男(オトメン)である秘密があり……、
ギャップ萌えの究極というほどの
激しい振り幅を誇りつつも、
「軸」が非常にしっかりしており、
読んでいてとても安心できる、
ドラマにもなった、
乙女系イケメン漫画の傑作です。
オトメン(乙男)のあらすじ紹介
剣道は日本一、空手と柔道は有段者、
そして長身イケメンと、まったく
非の打ち所がない正宗飛鳥。
しかし一方で飛鳥は、
少女漫画やぬいぐるみなど
乙女チックなものが好きで好きで
たまらないほどにハマっていました。
そんな中彼は、礼儀正しく
清潔感のある美少女、都塚りょうと
親しくなり始めます。
人柄が良くハンサムで、しかも
腕っ節もあるりょうには
飛鳥もベタ惚れですが、
しかしりょうには、
彼女をタフに育て上げた
厳格な父親がいました。
料理などとんでもないというほどに
古風で男っぽい彼の前で、
乙女力を全開したのがバレた飛鳥は、
軟弱というような評価をされ
挽回が必要な状況に追い込まれます。
そこで飛鳥は、一番得意な剣でなく、
あえて柔道で、猛者である彼に
挑むことにしたのでした。
オトメン(乙男)のネタバレと今後の展開は?
銀百合学園高校二年生の、
正宗飛鳥。
長身で体格が良くイケメンで、
空手も柔道も有段者、
しかも剣道では日本一と、
誰もが憧れるような
男の中の男です。
しかし飛鳥は、
少女漫画やぬいぐるみ、
そして料理などなど、
女の子っぽいものが
超好きな、本格派の
乙男(オトメン)でした。
しかし、絡まれているところを
助けた、都塚りょうに一目惚れ、
恋をするとさらに「乙女」になり、
可愛いものにハマってしまう自分に
振り回されてしまいました。
しかし、ナンパ系のイケメンである
橘は授業の課題をダシに
りょうと親しくし始め、
我慢ならなくなった飛鳥は
自身のもの凄い裁縫スキルを
披露してしまいます。
しかしりょうはまったく
引いたりはせずに、むしろ賞賛し、
後日、お礼にと、お弁当をくれました。
そのお返しにと飛鳥もまた、
料理テクを駆使したお弁当を、
彼女に振る舞っていきますが、
りょうの好みのタイプは
男らしい人ということが分かり、
橘には本性を見抜かれていました。
彼女の好みと自身の本質の間で、
悩む飛鳥でしたが、そんなある日、
りょうからだというある誘いが、
彼を動かしていくことになります。
オトメン(乙男)の読んでみた感想・評価
タイトルで示された面白さの予感を、
良い意味で上回ってみせる展開が、
熱く楽しい名作と言えます。
本作のキモは何と言っても、
乙男(オトメン)である、
飛鳥君のギャップ力にありますが、
剣道日本一で柔道も空手もできる、
超戦闘能力を持つ彼は、
性格的にも超イケメンなんですね。
多くの作品ではこうした、
実は女の子っぽい趣味があるキャラは、
性格まで「女らしい」感じに、
仕上げていきがちですが、
飛鳥君に関してはとてもタフなので
極めてリアリティがありました。
親から言いつけられている上、
自分自身そうした習い事に
嫌悪感を抱いていない以上、
趣味とは別に順応するもので、
だからこそ飛鳥君の
ギャップが際立つんですね。
ヒロインであるりょうさんもまた、
サッパリとしてハンサムですが、
一方で可愛らしい部分もありと、
妙に軸がブレたところがないので、
各キャラの魅力が戦列で、
飛鳥君抜きでも楽しめましたね。
色々と凄いことをしているのに
平然とこなしてしまうだけに、
作品全体の安定感が強力で、
何故か安心感が持てるような
不思議な嬉しさも魅力です。
オトメン(乙男)はこんな方におすすめな作品!必見
「男たる者……」、「女性なら……」、
そうした形での「らしさ」を
求められる場面は今でも多いですし、
特に創作の中に関して言えば、
より「男らしさ」を突きつけたような
キャラが頻繁に登場するものです。
だからこそ最近では見た目と中身が違う、
「ギャップ萌え」が全盛ですが、
その流れを決定づけたような名作が、
本作「乙男(オトメン」になります。
何しろ主人公の飛鳥君は、
柔道と空手の有段者な上に、
剣道日本一という超武士系男子。
しかも性格も男らしく
容姿もタフなイケメンなのに、
物凄く乙女チックな趣味を持つという、
ギャップの極致を体現する存在です。
最近の些細なギャップものに、
ちょっと不満を持っている方にも
本作は極めてオススメできます。
さらに言えば飛鳥君は単なる
可愛いもの好きではなく、
料理も家事も完璧で、
裁縫までバッチリと、
有り得ないぐらいの高スペックなので、
極めて安心感があるのも特徴です。
だからこそ秘密をひた隠す飛鳥君が
何だか妙にチャーミングで、
自分のタフさを隠そうともしない
りょうさんのハンサムさが際立ち、
キャラ立ちもしっかりしています。
飛鳥君という「無敵系」だけでなく、
脇もしっかり固められた、
ラブコメを楽しみたい方にも最適です。