タイトル | きっと愛してしまうんだ。 |
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原作・漫画 | 一井かずみ |
出版社 | 小学館 |
優しく誠実は心根を持ちながらも、
社内では敬遠されるOL、藤田は、
あることをきっかけに、
社内でも評判の人格者、谷地と
同居生活を始めることに……。
「いい人」でいるための配慮と努力、
そして社会人ならではの距離感など、
現実的な部分が多くフォローされた、
リアル志向のオフィスラブ物語です。
きっと愛してしまうんだ。のあらすじ紹介
営業の仕事を本格的に始め、
成果を上げているOL、藤田さん。
しかしクールで付き合いにくいと
社内では評判を立てられた上に、
営業先から厚遇されたことで、
彼氏でもあった主任から
別れを切り出されてしまいます。
しかしそんな彼女の同僚で、
人格者として評判の谷地君は、
藤田さんを助けてくれます。
誠意ある優しい谷地君の態度に、
救われる藤田さんですが、
谷地君は藤田さんの祖父と友人でもあり、
入院中の祖父の提案もあり二人は、
奇妙な同居生活を
開始することになっていくのでした。
きっと愛してしまうんだ。のネタバレと今後の展開は?
OLとして営業を頑張る藤田さん。
冷たくて付き合いづらいと
周りからは考えられていますが、
本人は人を遠ざける気はなく、
人と接する難しさを
痛感していました。
そんなある日、取引先から、
主任の熊谷は外して、
藤田さん専任でいいと、
思わぬリクエストが入ります。
実は熊谷は藤田さんの
上役なだけでなく、
彼氏でもあったのですが、
一から営業を教えてきた彼女に
仕事を取られたためか、
別れを切り出してきます。
何とか自分を保とうと
仕事に集中する藤田さんですが、
人格者の評判の谷地君に
仕事ぶりを屈託なく評価され、
思わずキツく対応してしまいます。
しかし谷地君はあくまで優しく、
熊谷と対峙するハメになり
体調を悪くした藤田さんに、
帰宅するようアドバイスしてくれ、
そのために藤田さんは
自分を取り戻すことができました。
そうしたこともあって、
祖父の家に引っ越そうと
足を運んだ藤田さんが見たのは、
何故か祖父の家の玄関を掃除する、
谷地君の姿だったのでした。
きっと愛してしまうんだ。の読んでみた感想・評価
先輩との秘密恋愛と別れ、
そして新たな恋と、定番を
きちんと踏まえつつも、
リアル方面に寄ることによって、
オリジナリティを出せた
珍しい作品だと思います。
本作のヒロイン藤田さんは、
典型的クール系美女。
もっとも本質は違うのですが、
どうしても会社内では
誤解をされてしまうタイプです。
こうした場合、ラノベなどの
ガチクールキャラであれば
それがどうしたの、という感じで、
サクっと流すところでしょうが、
些細な対応の違いでも悩む点が
藤田さんのいいところですね。
そしてそんな藤田さんに対し、
救いの手を差し伸べるというか
王子役を勤めるのが谷地君。
藤田さんの同僚で、評判も上々、
しかしファンタジー的な能力を
持っているわけではなくて、
いい人であるが故に慕われる
人格者タイプのお人です。
もっともその「いい人」は、
気質だけのものではなく、
常に大人らしく的確な、
目配り気配りによって
形作られてきたものです。
だからこそ読んでいる側も
素直に応援できますし、
なかなか馴染めない藤田さんも、
心を開いていくことが
できたのではないかと思います。
一方の不器用な藤田さんも、
性根は真面目で優しい人であり、
だからこそうまくやれないのが、
非常に良く分かる感じであり、
読んでいる側としては
実に共感ができました。
きっと愛してしまうんだ。はこんな方におすすめな作品!必見
人のことを思いやれる、社交的、
色々なことに気がつく……。
「いい人」の基準は色々とありますが、
現実問題として考えてしまうと、
真面目に優しいというだけでは、
なかなか社会では「いい人」とは
認識されづらいものです。
年齢も性別も立場も違う人たち、
しかも友達ではないが、決して
敵対するわけにもいかない関係で、
相手にいい気持ちになってもらう、
自分の評価を上げるには、
スキルと配慮と努力が必要です。
本作の谷地君はそんな、
努力が見える「いい人」であり、
だからこそリアルを感じます。
会社に実際にいそうないい人との
実感ある恋愛を楽しみたいなら
本作は実にオススメですね。
また一方で藤田さんは、
相手からはなかなか評価されない、
しかし明確に「いい人」であり、
そんな彼女の良さが谷地くんや
周りの人達によって見えるのは、
非常に面白いところでもあります。
多くのオフィスものの
有能系同僚と言うと、色々と
人間離れしたキャラが多い中、
実に地に足が着いた感じで
頑張る谷地君の姿は
皆に交換を持たれるものですね。