タイトル | アニ*カレ |
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原作・漫画 | みなみ蒼 |
出版社 | フェアベル |
母の再婚により、新しくできた、
義父と義兄。
しかし仲良くやっていく矢先、
菫の義兄、柾喜から飛び出したのは、
まさかの告白だった。
大胆かつパワフルな展開から、
温かみのあるやり取りまで楽しめる、
個性派ラブストーリーです。
アニ*カレのあらすじ紹介
母親が再婚することになり、
「父親」と「兄」が
できることになった菫。
義父に対する印象も良く、
兄ができるなんてと
ほんのり憧れていましたが、
そんな温かい気持ちは
義兄である柾喜からの、
突然の告白により吹き飛びます。
仲良くなっていけるはずの
家庭の空気がギクシャク、
しかも元彼にフラレたばかりでは、
菫も身勝手な「告白」に、
まったくいい印象を持てず、
全力で反発していきます。
しかし、俺様な感じの柾喜は、
実は女性のファッションにも明るく、
菫をキラキラ女子に変えたりと、
意外と親身で温かいところもあり、
また告白自体も本気だったのでした。
アニ*カレのネタバレと今後の展開は?
母が再婚したことで、
新たに父と兄ができた菫。
しかし、「義兄」ができて
嬉しいかなという菫の思いは、
その「兄」柾喜からの、
唐突な「菫を好きになった」との
告白によってぶち壊しになります。
もちろん義父は衝撃を受けますし、
菫も幻滅したりしますが、
柾喜はお構いなしという感じで、
ぽんぽん男に捨てられて
泣いているなよと菫に
説教を始める始末です。
そこで菫は「仕返し」にと、
少しでもマシな感じになるべく
友達にメイクして貰いますが、
そのギャル系の感じでは
全然ダメといった感じで、
またも柾喜からダメ出しされます。
しかしそうこうしているうちに、
菫は元彼の潤と会ったりして、
すると柾喜も、美容師の息子として、
なかなかの手際を発揮して、改めて
菫をキラキラにさせます。
元彼の潤としてはキラキラした菫に
グッときている感じであり、
実際「変身」がきっかけとなり、
潤は「浮気」の原因を真っ直ぐに
語ってくれた上で改めて、
思いを口にしてくれました。
しかし、不意打ち的な潤のキスを
兄の柾喜は目撃しており、
潤に対して絡み始めます。
アニ*カレの読んでみた感想・評価
カッコイイ系に見えて超ワガママ、
自分勝手なようで「妹」思い、
表情も感情表現も豊かな柾喜の、
予想不能な立ち回り方と、
キラキラし始める菫の魅力が
存分に楽しめる一作です。
本作のポイントは何と言っても
菫の「兄」である柾喜ですね。
血のつながらない美しい妹に
心を惹かれる自分が抑えられず、
長い時間を経て告白する、
こういった感じで展開され、
各人の情熱や葛藤が見えるのが
「きょうだいラブもの」の定番です。
しかし本作では、そうした大前提を
いきなり叩き壊すかのように、
冒頭柾喜が菫に本気で告白します。
もちろん、血縁はありませんし、
社会的な意味でも今まで
まるで縁がなかった他人なのですが、
新たに家族になっていこうと
皆が決意をしている時にいきなり、
この告白は並大抵ではありません。
単なるワガママよりももっと強烈な
規格外さを感じましたし、実際、
その発言で当事者は大揺れですが、
縁談を潰したいわけじゃなく、
ドストレートに口に出せるのが
柾喜の凄いところです。
そのため、菫の元彼に、笑顔で
全力で毒を吐いてみたり、
菫の母親とのシリアスな会話でも、
一切ボカさずについていけたり、
作品の「お約束」を飛び越える
強烈な魅力を感じました。
もっとも菫も、ヤバくて
俺様系でウザい義兄によって、
キラキラになっていったりと、
そのパワフルさが周りに
いい変化をもたらしているのも
面白いところでしたね。
アニ*カレはこんな方におすすめな作品!必見
血縁か義理かに関係なく、兄弟や姉妹に
恋愛感情を抱いてしまうのは、
現実はもちろん、創作世界においても、
極めて「禁断」色が強いとされています。
だからこそ、一度思いを抱いた人は、
長々とその感情を内に秘めて、
辛い思いをしていくというのが、
創作上での定番だったりしますが、
本作では冒頭でいきなり、
兄が妹に告白し始めるんですね。
そのためもちろん家庭は大混乱、
しかし愛し合って再婚したのに
すぐ別れたりもできるわけがなく、
他の作品にはない「緊張感」が
明確な形で描かれることになります。
他ではなかなか見ることができない、
不可解と殺伐が交錯するような、
兄妹関係の愛憎を満喫するなら、
本作は非常にオススメできますし、
前提が非常に個性的なため、
展開が予想しがたいのもポイントです。
しかし、彼氏と義兄の二人から同時に
ある意味での「裏切り」を味わい、
しんどい思いをさせられる菫も、
その気まぐれ勝手な義兄のおかげで、
キラキラ女子に変われたりと、
多面的な人間関係も垣間見えます。
個性的なシナリオとキャラですが、
そのために年頃の二人が、
いきなり兄妹になるという難しさの、
リアルな空気が描かれている部分も、
家庭もの作品が好きな方には
オススメできるポイントですね。