タイトル | 荒野のグルメ |
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原作・漫画 | 久住昌之 土山しげる |
出版社 | 日本文芸社 |
都会で働く中年のサラリーマン・
東森良介が、仕事終わりに
行きつけの小料理屋で
食事を楽しむ様子が描かれる。
「野武士のグルメ」と同じく
久住昌之と土山しげるによる
グルメ漫画で、現在
「漫画ゴラクスペシャル」にて
連載中。
荒野のグルメのあらすじ紹介
ニチブン商事に勤める
東森良介は、48歳の営業課長。
仕事中に発注ミスが起きるが、
最終チェックをしたのは
営業部長の田中だった。
しかし田中はミスの責任を
東森に押し付ける。
スッキリしない気分のまま、
取引先への謝罪など
ミスの対応に追われる東森。
やがて仕事が終わり、
気分転換に行きつけの店へ
飲みにいくことを決めた。
そこは数年前に偶然見つけた
小料理屋で、まるで疲れた
カウボーイたちが集う
荒野の酒場のような店だった。
自宅の一駅前で電車を降りた東森は、
改札を抜け、その小料理屋へと
向かうのだった。
荒野のグルメのネタバレと今後の展開は?
ニチブン商事の営業課長である
東森良介は、48歳のサラリーマン。
ある日仕事で発注ミスが起き、
東森は営業部長である田中から
叱責を受けていた。
だが発注書の最終チェックを
したのは部長だった。
東森はそのことを進言するが、
仕事の直接の責任者はお前だと
責任逃れをする部長。
結局東森が責任を取ることになり、
取引先へ謝罪しながら
大きなため息をつくのだった。
ようやく仕事が終わり、
沈んだ気分と疲れを癒すため
飲みに出かけることに。
東森が向かったのは、
行きつけの小料理屋「よし野」。
そこは疲れたカウボーイが集う
荒野の酒場のような店。
店に入って席に着くと、
いつものように女将が
おしぼりを差し出した。
東森は顔をふきながら、
ビールの小瓶を注文する。
お通しの空豆の塩茹でをつまみながら、
何をたのもうか考えていると、
女将から「良いカツオが入った」
との報告が。
さっそくカツオの刺身を注文すると、
出てきた刺身には
ミョウガ、白ネギ、大葉、ニンニクといった
薬味がたっぷり盛られていた。
思わず笑みがこぼれる東森。
冷酒を注文し刺身を堪能しながら、
大量の薬味は俺に対してだけだと
推測する。
その女将の気づかいに、
初めて店に入ったときのことを
思い出した。
数年前、初めて「よし野」を訪れたとき、
ビールの小瓶をたのむが
置いていなかった。
だが次に訪れたときには、
ビールの小瓶が用意されていたのだ。
その気づかいに感動したことを
懐かしんでいると、
常連のひとりがゴハンを注文。
それを聞いて、刺身の乗ったゴハンを
かき込みたくなった東森は、
次回はゴハンを注文しようと心に決めた。
食事を終え、「よし野」という
荒野のオアシスで、
渇いた心を潤した東森は
また明日から頑張ろうと
決意するのであった。
荒野のグルメの読んでみた感想・評価
久住昌之さん原作の漫画と言えば
「孤独のグルメ」が有名ですね。
この「荒野のグルメ」も
「孤独のグルメ」と同じく
主人公が庶民的な店で食事を楽しみ、
心の中で感想を述べるという
スタイルです。
主人公・東森良介は既婚者であり、
中間管理職のサラリーマンで
大のお酒好き。
仕事によるストレスを発散するため、
普通の小料理屋で
庶民的な料理とお酒をたしなみます。
無責任な上司、部下へのフォロー、
ミスの対処、つまらない接待…
サラリーマンであれば
大抵は経験するであろう
ストレスが描かれていて、
会社勤めの身としては、
共感しすぎて色々と
思い出してしまいました。
そんなストレスを解消するのが、
小料理屋「よし野」での食事。
この小料理屋は、久住さんが考える
中高年のサラリーマンにとって
理想のお店なんだと思います。
やさしくて気が利く女将。
愛想はいいが、
余計な詮索をしてきたりしない常連たち。
そして女将が出す
美味しい料理とお酒。
主人公がこの店を「オアシス」と
例えるのも無理はありません。
そんな「オアシス」で食事を楽しむ
主人公をみると、
こちらまで幸せな気分になりますね。
いつもながら久住さんのグルメ漫画は、
「食」に対する愛情を感じます。
荒野のグルメはこんな方におすすめな作品!必見
・日々働いてる人
責任感のない上司、
つらい出張、部下のフォローなど
会社勤めの大変さが描かれていて、
働いている人なら
共感できると思います。
ただサラリーマンの方は、
共感しすぎて嫌な思い出が
よみがえるかもしれません(笑)
・食事をより楽しみたい人
庶民的な料理を
幸せそうに食べる主人公。
そのシーンは、私たちが普段
なれ親しんでいる料理の良さを
再確認させてくれます。
「出張グルメ(前編)」という回では、
出張先で高級料亭に行きますが、
主人公は楽しめず、
料亭を後にして居酒屋に入ります。
ホルモン焼きそばを注文し、
ウーロンハイを飲みながら、
こういう店が一番だと
しみじみ思う主人公の姿は、
なんてことない食事こそが
実は幸せなんだと教えてくれます。
・久住昌之さん原作の
グルメ漫画が好きな人
料理を堪能しながら、
感想やこだわりを独白するという、
久住テイストを存分に味わえます。
「孤独のグルメ」や
「野武士のグルメ」とは設定も近く、
この2作が好きなら
間違いなく楽しめると思います。