タイトル | 攻殻機動隊 |
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原作・漫画 | 士郎正宗 |
出版社 | 講談社 |
「攻殻機動隊」は
近未来の日本を舞台にした、
士郎正宗によるSF漫画。
脳と脊髄以外をサイボーグ化した
主人公・草薙素子を中心に、
彼女が所属する内閣総理大臣直属の
防諜機関・公安9課の活躍が描かれる。
このマンガを原作として、アニメ映画、
テレビアニメ、ゲームなど
メディアミックス展開されている。
2017年にはアメリカで
実写映画化された。
攻殻機動隊のあらすじ紹介
いくどかの世界大戦を経て、
通信ネットワークが
星を被った近未来。
高度に情報化した世界で、
奇妙な企業集合体国となった日本。
2029年3月5日、
新浜県の海上都市
(通称・ニューポートシティ)の
ビルの一室で、
極東通商代表部と商務省の次官による
非公式な会合が行われていた。
実はその会合で、次官は
国家の情報を通商代表部に
漏らしていたのだ。
会合の情報を掴んでいた公安部隊は
ビルを包囲し、突入の準備を進めていた。
だがその場にもう一人、
「少佐」と呼ばれる女の姿があった。
準備が整い、
指揮官の荒巻は突入を指示。
公安部隊が突入を開始した。
攻殻機動隊のネタバレと今後の展開は?
第3次核大戦、第4次非核大戦を経て、
混沌化と情報化が進んだ近未来。
通信ネットワークが星を被った世界で、
奇妙な企業集合体国となった日本。
2029年3月5日、新浜県の海上都市
(通称・ニューポートシティ)にある
ビルの一室で
極東通商代表部と商務省の次官らによる
非公式な会合が行われていた。
商務省の伊東次官は、以前から
極東通商代表部と通じており、
国家の機密情報を漏洩させていたのである。
そのことを掴んだ政府は、
会合の現場を抑え
伊東を逮捕するよう公安に命令。
ビルを包囲した公安の特殊部隊は、
市民を避難させ、
突入の準備を完了させようとしていた。
そこに一人の女の姿があった。
彼女の名は草薙素子。
「少佐」と呼ばれており、
脳と脊髄の一部を除いて、
全身を義体化した女性サイボーグである。
彼女は前首相から、
極東通商代表部の人間の
暗殺命令を受けていたのだ。
準備が整い、公安の指揮官・荒巻が
突入を指示。
一斉にビルに突入し、
会合している部屋を目指す特殊部隊。
異変を察知した通商代表部のSPが、
アタッシェケース型の
マシンガンを取りだし、
迫りくる特殊部隊に向け弾を連射。
しかし通商代表部は、
SPに射撃を止めるように命じた。
公安が部屋になだれ込み、
その場にいる全員に動かないよう指示。
部屋に入ってきた荒巻は、
伊東次官に対し、前の首相暗殺の件で
身柄を拘束しようとする。
しかし通商代表部は、
伊東は亡命を希望したという理由で、
国際法に基づき自分の国に
連れ帰ると宣言。
荒巻は怒り、国際テロ防止法に基づき
伊東の身柄の引き渡しを要求するが、
通商代表部は検討すると言い、これを拒否。
悔しさをにじませる荒巻。
だがそのとき、どこからか
通商代表部の人間に
炸裂弾が発射された。
銃弾をうけ、通商代表部の人間は
弾け飛び絶命する。
窓の外だ!と荒巻が叫び、
ただちに公安の特殊部隊が発砲。
割れた窓から下をのぞくと、
熱光学迷彩によって透明化する
草薙素子を発見。
だが時間とともに完全に透明になり、
彼女は夜の街に消えた。
翌日、荒巻が内務大臣のオフィスに
出向くと、イスに座る素子の姿があった。
攻殻機動隊の読んでみた感想・評価
「攻殻機動隊」を知ったのは、
押井守監督のアニメ映画でした。
大戦により混沌化が進んだ世界、
ネットと脳が繋がっている電脳化、
義体と呼ばれるサイボーグ、
そして公安という治安維持組織で
ありながら、時には暗殺までこなす
反社会性。
もともとサイバーパンクやSFが好きだった
こともあり、一気に引き込まれました。
その後、原作であるマンガを
読んだのですが、
驚いたことが2つありました。
一つ目は、草薙素子の性格の違い。
アニメ映画では、口数が少なく表情が
乏しい哲学者といった感じでしたが、
マンガでは感情豊かで正義感の強い
アネゴという感じです。
初めは、そんなアネゴ肌の素子に
違和感がありましたが、
何度か読み返すうちに
公安という組織に属し、
手段を選ばず悪を退治するという設定ならば
この性格の方が合っていると
思うようになりました。
もちろん映画の彼女も魅力的です。
二つ目は、情報量の多さ。
アニメ映画も多かったのですが、
マンガはそれ以上です。
複雑なストーリー、登場人物の長ゼリフ、
欄外に書かれた作者の解説など
とにかく情報量が膨大で、
内容を理解するまでに
かなり時間が掛かりました。
使われている用語も難しく、
いちいち調べなければならない程。
ですが理解できるにつれ、
設定の緻密さや作中に出てくる
技術のリアルさに感動しました。
気楽に読めるマンガではありませんが、
これほど知的好奇心を刺激する
マンガもないと思います。
攻殻機動隊はこんな方におすすめな作品!必見
・サイバーパンクなSFが好きな人
地球全体に広がったネットワーク、
意識ごとダイブする電脳空間など
サイバーパンクの元祖
「ニューロマンサー」で書かれた設定が
「攻殻機動隊」でも多く見られます。
また暴力、性行為などの
反道徳的な表現も登場します。
科学技術は発達したが、
貧富の差は解消されず、
依然として犯罪や紛争が存在する
決して綺麗ではない近未来の物語が
好きな方におすすめです。
・知的好奇心の強い人
ストーリーや設定に難解な部分が多く、
なかなか理解するのが大変な作品です。
特にネットワークやサイボーグ、
人工知能に関する部分は、
工学的な知識がないと
理解に苦労するでしょう。
より楽しみたいなら、
自分で調べる作業が必要になります。
その作業ができるなら、
「攻殻機動隊」はきっとお気に入りの
マンガになると思います。
・社会問題に興味のある人
近未来が舞台のSFとはいえ、
紛争、貧困、難民、サイバー犯罪といった、
現実でも存在する社会問題が出てきます。
このマンガを通し、
世界で起こっている様々な問題を
考えるのも良いかもしれません。