タイトル | ゆめにっき |
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原作・漫画 | ききやま 富沢ひとし |
出版社 | 竹書房 |
夢の中をさまよう少女と彼女が出会う
摩訶不思議で奇怪な
いきものたちの物語。
彼女が夢をさまよう理由、
そして彼女の夢がこうなってしまった
原因とは?
今なお根強い人気を誇るフリーゲーム
『ゆめにっき』の公式コミカライズ本。
ゆめにっきのあらすじ紹介
少女は毎晩夢を見る。
夢の中は現実とはかけ離れた
奇妙で不可思議な世界だった。
夢の世界をさまよううち、
彼女は様々な生物に出会う。
彼女と同じ人間の姿をした女性、
この世のものとは思えない鳥頭の人間、
そして異星人のような謎の生命体。
夢の世界を旅する中で見つけた
魔法のようなちからも使いながら、
彼女は夢の奥へ奥へと進んでいく。
すべての「ゆめ」を見つくした彼女が
現実世界で最後にとる行動は、
きっとあなたの想像を裏切るだろう。
ゆめにっきのネタバレと今後の展開は?
2004年に公開され、10年以上
根強い人気を誇るフリーゲーム
『ゆめにっき』の公式コミカライズです。
窓付きと呼ばれる主人公だけでなく、
ポニ子など人気のキャラクターも
もちろん登場しています。
公式コミカライズとはいえ、
この漫画で描かれることが
ゲーム世界の唯一解ではありません。
あくまでこのコミックのストーリーは
原案のマチゲリータ氏による
解釈であって、
ききやま氏によるものではないのです。
序盤はゲームをプレイしたことの
ある人には馴染み深い展開ですが、
徐々にマチゲリータ節ともいえる
内容が濃くなってきます。
特に「ゆめ」がどんなものであるか、
主人公はどのような存在かという
点については、
完全に公式外の設定となっています。
コミック版では「ゆめ」は
一種の更正システムのようなものとされ、
主人公がほうちょうの
アビリティを用いてゆめの中の
生き物を刺せるのは
彼女の更正前の行動に
由来するとされています。
エフェクトは彼女のトラウマを断片化
したもので、トラウマを甦らせることで
更正に繋げるというシステムのようです。
最終的に主人公は自分の中の悪が
爆発し暴走しますが、このトラウマを
再び与えられることで
正気に戻り元の世界へと
帰っていくことになります。
そして、現実に帰った彼女は
原作通り、ベランダの階段を登り…。
ゆめにっきの読んでみた感想・評価
原作ゲームがあまりに独特な
世界観を持つため、コミカライズは
難しいのではないかと感じていましたが
心配は無用でした。
各ワールドの不気味さや毒々しさは
そのままに、時にかわいらしくさえ
思えるタッチで
ゲームそのものの世界が
表現されています。
『ゆめにっき』は原作自体が様々な
考察を繰り返されている作品で、
このコミカライズもそういった
解釈の1つです。
私にとってはかなり新鮮で面白い
内容でしたが、人によってはまったく
同じ意見であったり
逆に正反対の感想を持つ方も
いるかと思います。
ひとつの漫画作品としては説得力もあり、
よくまとまっていたと思います。
ゆめの世界と現実世界との往復や
エフェクトなどゲームならではの
ギミックもきれいに落とし込まれ、
違和感なく読み進めることができました。
原作ゲームを知らない人にも
わかりやすい構成に
なっていると思います。
また、主人公たちキャラクターに
公式ゲーム内では名前が与えられていない
ことも上手く昇華されていたと思います。
漫画という形態の都合上主人公が
喋るという部分は仕方ありませんが、
それも量がちょうどよく
気にならない程度でした。
原作を違った角度から
捉え直すことができる
良いコミカライズだったと思います。
ゆめにっきはこんな方におすすめな作品!必見
原作ゲームをプレイしたことがある人は
もちろん、SFやサスペンスが好きな人にも
おすすめです。
ゆめ世界の存在意義や主人公の
バックグラウンドなど徐々に
明かされる部分も多いため、
推理ものが好きな人も
楽しめるかもしれません。
作中に若干の暴力表現や
グロテスクなシーンが含まれるので、
そうした描写が気にならず読める人に
向いている作品だと言えます。
また、漫画を通してちょっとした
非日常感を味わったり異世界感を
楽しみたい人にもおすすめです。
現実世界とゆめの世界を行き来するという
設定ではありますが、近未来もののような
特殊機械は登場せず
あくまで主人公自身の行動がトリガーと
なるので主人公に感情移入して読みたい
人も無理なく楽しむことが可能です。
そして、この漫画を最もおすすめ
したいのは原作をプレイしてみたかった
けれども操作の不安や
その他もろもろの理由で
叶わなかった人たちです。
鳥人間に襲われ冷や汗をかきながら
逃げる必要もなく、エフェクトが集まらず
苦労する必要もありません。
手軽に簡単に『ゆめにっき』の世界を
体験してみたい人に一番入りやすい
媒体だと自信をもって宣言します。