タイトル | 江戸むらさき特急 |
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原作・漫画 | ほりのぶゆき |
出版社 | 小学館 |
時代マンガならぬ
時代『劇』マンガ!
水戸黄門や眠狂四郎、
果てには悪代官や悪徳商人
お茶の間でお馴染みの彼らが
脱力系のギャグを繰り広げる!
これを見れば本家の時代劇も
もっと面白くなる?
おそらく世界初の時代劇ギャグ!
江戸むらさき特急のあらすじ紹介
格さんがうっかり八兵衛に
「お前、なんでついてくんの?」
と禁断の台詞を放ったり、
逆に格さんが印籠をなくし
「うっかり格さん」と呼ばれるも
大してうっかりしてないことで
理不尽なダメ出しを食らったり。
かと思えば
「峰打ちじゃ、安心いたせ」
の名台詞をひた押しに
斬られた相手が元気に起き上がって
「峰打ちなら安心だね!」と
ノーダメージで笑いだしたり
終いには切腹の介錯まで
「峰打ちじゃ、安心いたせ」
「峰打ちなら安心だね!」
・・・さすがにそれは安心ではない!
江戸むらさき特急のネタバレと結末(最終回)は?
唐突に新番組
『井伊は幕府を救う』が
開始します。
葵の御紋Tシャツをユニフォームに
ボランティアスタッフも参加する
どこかで観たような企画。
もちろん司会は井伊直弼。
「倒幕したぞー」と叫ぶ仕掛け人に
つい大喜びする橋本左内に
ドッキリ成功のプラカード。
「あードッキリかー」なんて
のどかなリアクションに
井伊直弼が大獄を言い渡します・・・
さらに吉田松陰への拷問。
御紋Tシャツのボランティアたちが
鞭打ちや石抱きなど
定番の拷問をくわえつつ
「すごいガッツです!」
「こちらもやりがいがあります!」と
とてもいい笑顔。
いい笑顔のまま拷問続行します。
合間でイベントが途切れ
通常進行するのも
どこかで観た展開。
そして最後はもちろん
桜田門までの登城マラソン!
ゴールでは水戸藩士たちが
テープ代わりに抜刀して
待ち構えて
桜田門外の変で番組終了!
・・・次回はありません。
江戸むらさき特急の読んでみた感想・評価
リアルな濃いタッチなのに
ひたすらバカバカしいギャップが
いきなり笑いを誘います。
くだらなすぎるネタに失笑していたら
急に趣きを変えた秀逸なギャグに
意表を突かれて爆笑してしまったり
1話内にいろんなギャグを
自在に打ち出してくるので
どこかのコマで必ず笑ってしまうのです。
テレビ番組ネタが多く
時代劇のみならず
懐かしい気分も味わえました。
特に最高だったのが
UFO特番のパロディ!
「あれはボクがワイフと
ドライブしてた時なんだ。
急に空が光ったと思うと
そこには・・・忍者が!」
江戸時代の設定は続けているのに
何故か字幕で、ドライブとか言ってて
大爆笑してしまいました。
笑えるだけでなく
真面目な考察もできそうな
面白い試みも多く
悪徳商人としてお馴染みの
大黒屋を主人公に
時代劇を作る回があったり。
「旦那に付き合ってちゃ
いくら小判があっても
足りやしない」
「こいつめっ」
と、指で突かれて
こぼしたお茶が手にかかって
あわてふためく・・・
そんな番組があったら
観てみたいと思える
珠玉のネタが
他にもたくさんあって
飽きずに読み続けられました。
こんな方におすすめな作品!必見
時代劇が好きな方、
好きでなくても観ていた方なら
水戸黄門や暴れん坊将軍など
定番の時代劇を使ったネタが多く
確実に楽しめます。
また江戸の黒豹が悪人と対峙して
「男の怒りがぁ男の怒りがぁ」
と歌い出し
「まだ歌うところじゃない!」
とペシペシ叩かれるシーンなど
勢いで突っ走るタイプのギャグも
混在していますので
元ネタを知らなくても大丈夫・・・?
あるいはこの作品を読んでから
元ネタの時代劇を観てみる、というのも
楽しみ方としてアリかもしれません。
濃いキャラがバカなことをしている、
というのがベースになっていて
あまり身構えずに
時々クスッと笑うのが
この作品の楽しみ方です。
ヒマな時にお茶でもしながら
バカバカしい掛け合いを楽しんで
ゆるい時間をすごす・・・
そんなまったりとした読み方が
相応しいと思います。
なお、タイトルに反して
桃屋の江戸むらさきは
作中に出てきませんし
全員、顔が濃いので
この作品をおかずに
白米を食べるのはオススメしません。