タイトル | NOBELU-演- |
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原作・漫画 | 野島伸司 吉田嬢 |
出版社 | 小学館 |
子役は「子、焼く」だ・・・
子役ブームの世の中で
親は自分の子こそ
才能があると確信していた。
そんな親たちから金を
巻き上げる芸能事務所。
子どもは過酷な世界で
生き抜かなければならない。
子役の世界の闇を描いた作品です。
NOBELU-演-のあらすじ紹介
主人公・波田ノベルは子役の
オーディションを受けていた。
父のリストラをきっかけに
両親が離婚した。
小さいころから苦労せずに育った母は
貧乏な生活は耐えられないと
ノベルにすがった。
子役として売れればこんな生活とも
おさらばできる・・・
どうせ落ちると思っていた
オーディションは親から金を
引っ張るための形だけのものだった。
同じ学校の星名ヒバリもノベルと
同じ事務所に所属していた。
給食費が払えないのに
事務所に入る金はあるのかと
いじめられてしまう。
NOBELU-演-のネタバレと今後の展開は?
事務所の子役はランクによって
ジャージの色が違う。
金色のジャージを着ている
ゴールドランクの4人は特別クラス。
道を開けて口も聞いてはいけない
という暗黙のルールがあるが
ノベルはサイン下さいと声をかけた。
普通なら相手にされないはずだが
ミコという女の子がノベルに
「カッてるね」と言い、
サインをくれた。
レッスンに通う日々が続き
仕事がすぐに来るわけもなく
母はもうお金がないと焦っていた。
そんな母に現実を見てと言うが
ママの子だから才能があるはずだと
聞き入れてくれない。
僕は勉強も運動も子役も
なんにもできないんだ!
「あなたはママの子じゃないのね」
と首を絞め、死ねばいいと叫んだ。
学校でもイジメはどんどん
エスカレートしていった。
ミコに言われた「カッてるね」は
飼ってるねという意味だった。
頭の中で声がして顔つきは
まるで別人のように変わった。
周りはノベルは猫を被っているか
演技だとしたらそれこそ凄い
才能だと驚いていた。
母は家に帰ってこなくなった。
NOBELU-演-の読んでみた感想・評価
両親が離婚して生活が苦しくなり
子役を目指すことになったノベル。
母親がとにかくひどい!
幼いころから大切にかわいがられて
育って苦労を知らない。
バイトができる年齢の子どもに
働いて欲しいと頼むならまだしも
ノベルは小学生です。
しかも、お金もかかって
決して甘くない芸能界に入らせる・・・
母親なのに子どもみたいな女で
ゾッとしました。
自分の子どもがかわいい、
この子には才能があると思うのは
親バカかもしれませんが
悪いことではないはずです。
英語を習わせよう
スポーツができる子になってほしい
同じ苦労をさせたくない
諦めた夢を代わりに叶えて欲しい。
子どもの人生なのに
親が勝手に押しつけるのは
良くないと感じました。
ノベルの母もやりすぎで、
いたたまれない気持ちになります。
ノベルへのイジメも、えげつないです。
他の子役も様々なものを
抱えている様子で、必死に子役として
成功しようとしています。
そのためなら他人も蹴落とす・・・
芸能界や子役の世界の厳しさを
思い知りました。
NOBELU-演-はこんな方におすすめな作品!必見
子役の厳しい世界が描かれています。
子役を目指すことになった理由すら
明るい理由ではありません。
純粋に芸能界で成功したいと
自ら願って入った子は少なく、
そうせざるを得ない理由があります。
事務所に入るまでやレッスンの日々
学校でのイジメなど環境の変化
問題のある親など、
とても壮絶な内容です。
芸能界はキラキラしているだけの
世界じゃないと思っていましたが
それ以上にえげつない展開です。
もちろん、フィクションですが
リアリティがあります。
そんな厳しい世界に
幼くして身を置くことになった
彼らに同情せずにはいられません。
全体的に重く、苦しい出来事ばかり
起きますがノベルの子役としての
眠っていた才能が開花してからは
少し変わります。
ミコに「飼ってるね」と言われた
ノベルが自身の中で飼っている者に
よってのぼりつめていきます。
散々な目にあってきた彼が
自身の力でどこに行き着くのか
見届けたいと思える作品です。
絵柄は好みが分かれるかも
しれませんが間違いなく面白いです。