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さよならソルシエのネタバレと感想や試し読みあり!結末が気になる!

さよならソルシエ

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル さよならソルシエ
原作・漫画 穂積
出版社 小学館

権威と保守の雰囲気が満ち、
市民とはかけ離れていた
パリの画壇。

しかし、まだ若いながらも
確かな観察眼を持つ男、
テオドルスは、権威に挑む試みを

若い画家たちとともに始め……。

ゴッホの弟テオドルスを軸に、
当時のパリの絵画界などを
巧みに描き抜いた、

非常にシャープで熱い絵画漫画です。

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さよならソルシエのあらすじ紹介

パリの絵画界で風雲児とも
呼ばれている画商、
テオドルス・ゴッホ。

彼は名門「ダービル商会」の
支店長を若くして任される
才能の持ち主でしたが、

一方で権威と保守にまみれた
このパリ画壇の体制を
変えたいとも思っていました。

故に彼は街に頻繁に出て、
そこで生きる市民や労働者に
徹底的に寄り添い、

ブルジョアでない彼らが
心底から求めるような
新たな芸術を目指します。

彼の観察眼の確かさは
ロートレックたち若い画家を
集める求心力にもなりますが、

テオドルスにはずっと
仲良くしていた兄、
ヴィンセントもいました。

後に歴史的画家になる
彼の才能をいち早くから
確信していたテオドルスですが、

実は兄にも言っていない
秘密にしてきた思いも
ずっと胸に抱いていました。

さよならソルシエのネタバレと今後の展開は?

浮浪者の街頭チェスの場で、
極めてクールに相手を撃破する
帽子の男がいました。

彼には誰もかなわず、皆散々な
結果となっていましたが、
そこに若い紳士が参戦。

賭け金を釣り上げて好き放題に
アドバイスをした挙句、
見事強敵に勝利してしまいます。

実はその紳士は「グービル商会」の
支店長である画商、テオドルスで、
抜群の観察眼で成果を上げる一方、

気ままに街に出てしまうために
周囲を悩ませていました。

そこにチェスで負かせた相手が
店にやってきますが、
テオドルスは彼が浮浪者ではなく、

高名な評論家であると
抜群の観察力で気付いていました。

しかし、まったく権威に添わない
テオドルスは、彼の評論を駄文だと
こき下ろしてしまいます。

また後日、いつものように
街を歩いていたテオドルスは、
入った行きつけの酒場で、

若い画家ロートレックに、
罵詈雑言をぶつけられてしまいます。

しかしテオドルスは怒りはせず、
路上での絵画販売で実力を見せます。

一方に絵画の現代技法を踏まえた
きっちりとした肖像画を、
もう一方にパン屋の親父さんが

まったくの趣味で描いた
パンの絵を並べ、両方とも
1フランの値で売ったのです。

完成度は明らかに肖像画の方が
ずっと上でしたが、
人々が選んだのはパンの絵であり、

そのまっすぐな観察眼は
若い画家の心にも
響くものがあったのでした。

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さよならソルシエの読んでみた感想・評価

否応なしに新たな時代の潮流を
感じざるを得ないような
ジワリとしたパワーが熱い一作でした。

どんどん新たな技術が導入され、
仕上がりが良くなっていく
漫画やアニメなどに比べて、

どうしても「停滞」しているように
素人は思ってしまいがちな
絵画の世界ですが、

本作では「体制内問題児」である
テオドルスが痛快なほどに
そこに挑んでいきます。

常に挑戦的であり恐れ知らず、
しかし単に生意気なだけでなく、
市民や労働者に寄り添う、

「新たな芸術」を目指していく
彼の視線は非常に明確で、
読んでいて熱さを感じました。

一方彼の兄であり、絵以外に
まったく興味もなさそうな
純粋さを示すヴィンセントも、

描き手としては理想的であり
この二人の絆が見えるのも
人間ドラマとして良かったですね。

芸術の中でも映画でなく絵画という、
比較的「静か」な分野を描く一方で、
非常にエネルギー豊かな作品であり、

単なる技術勝負には陥らず、
権威にもすがらず純粋にその作品の
良さを問いかける真面目さもあります。

二十世紀、「写真と映画の時代」に
世界が入っていく直前に、絵画界に
どんな変化があったのか……、

歴史となぞらえて、改めて
ゴッホが描いた意義を考えられる
貴重な作品とも言えます。

さよならソルシエはこんな方におすすめな作品!必見

生前はそれほど評価されなかったものの、
死後評判が高まり、歴史的な作家として
扱われることになった人は多いですが、

その中でもゴッホほど、
生前と死後の評価のギャップが大きい
芸術家も少ないでしょう。

バブルの頃は鑑賞よりも
投機的なオークションの対象にさえ
なっていったゴッホですが、

実は彼には性格の違う弟が
存在していたのです。

本作はそのゴッホの弟デオドルスを
主人公にした一作で、
当時保守的の極みにあったパリ画壇や、

貧富の差が激しかった街角の様子も、
ありありと描き出されています。

もちろん登場人物の表情やたたずまい、
何かをなそうとする画家たちの「力」、
洗練されてはいるが温かみのない

当時のパリ上流階級の冷たさなど、
本筋に沿った部分も実に素晴らしく、
真に迫っています。

穂積先生の素晴らしい感覚が、
ゴッホたちの絵をよりいっそう
魅力的に彩っている感じで、

ファンならばもちろんのこと、
絵画が好きな方も唸らせる、
完成度の高い一作だと思いました。

「芸術」の世界を舞台にすると、
しばしば「正解」が分かりにくく、
読者に伝わりにくくなりますが、

常に市民と大衆の近くにという
作中のテオドルスの考えは
実に明確で、その点も良かったですね。

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