タイトル | だって好きなんだもん |
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原作・漫画 | 吉住渉 |
出版社 | 集英社 |
恋に恋する望加が本気で好きになった
イケメンの眼鏡男子、芳井は、
何と彼氏持ちの女性しか好きにならない、
超特殊な好みの持ち主で……。
模範的にすら思えるイケメン少年が
極めて変わった好みの持ち主なため、
受け答えからリアクションまで全てが、
他の作品とはまるで違っている、
超個性的な恋愛物語です。
だって好きなんだもんのあらすじ紹介
あまり恋に積極的にはなれないものの、
「仲良しな関係」を夢見ていた望加は、
ある時、好みにバッチリ合った眼鏡男子、
芳井柾人と知り合い、恋している自分に
気付くことになります。
しかし芳井君は、フリーの女性ではなく、
彼氏がいる女性にだけ興味を持つという
何とも厄介な好みの持ち主で、
まだ彼氏もいない望加には、どの道
脈が薄そうな相手でした。
しかし望加はめげずにアプローチを続け、
距離を詰めようと努力もするのですが、
やはり芳井君の性格は厄介で、
その上彼の近くには「美少女の影」が
ついて回るなど、
まったく一筋縄ではいきませんでした。
だって好きなんだもんのネタバレと今後の展開は?
歴史上の恋愛エピソードには
素直に感動するものの、
あまり自分の恋愛には積極的でない、
女子高生、紺野望加。
しかしシャガールの本を探していると、
イケメンの眼鏡男子と鉢合わせになり、
声も瞳も素敵で笑顔が美しい、
その少年芳井柾人のことを、
反射的に好きになってしまいました。
しかし芳井君は、割合人気があるものの
彼氏としては絶対に無理というのが、
女子たちの評価であり、
実際芳井君が他の女の子と、
物凄く揉めているのを
望加も目撃してしまいました。
と言うのもどうやら芳井君は、
彼氏がいる女性だけを好きになるという
特殊な好みをしており、
しかも女性を奪い取るでもなく、
その人が彼氏と別れると
途端に冷めて振ってしまうのです。
何故なのかは分かりませんが、
とにかく厄介極まりないのは確かで、
しかし望加の思いは冷めません。
ただ望加が誘いをかけても、
まったく芳井君は色よい返事を
くれることはなかったのですが、
後日やっぱり行くと言い出し、
無事デートとなったのですが、
そこには芳井君の誤解があったのでした。
だって好きなんだもんの読んでみた感想・評価
真面目な眼鏡男子かと思いきや
オラオラ系とはまた異なる点で、
非常に厄介な点があったりして、
予想できないリアクションが
読み手をとてもドキドキさせる
意欲作だと言えます。
恋愛ものの中でも特に学園ものは、
「完璧超人系キャラ」が、メインに
吸えられることが多いジャンルです。
比較対象の少なさから、完璧に
見えやすい点もあるかも知れませんが、
いずれにせよ優秀でクセのない人が、
目を引き好まれる傾向は
かなり強いと言えます。
しかし本作の芳井君は何故か、
「彼氏がいる女の子が好き」という
もの凄いクセを持っていて、
黙っていても問題を呼びそうな
その感じには正直かなり
驚かされましたね。
しかも芳井君はそのことを
あまり隠そうともしていませんので、
彼とのやり取りはユニークでした。
何しろ他の作品だったら、
彼氏がいると勘違いされたら、
トラブルの元になるわけですが、
芳井君相手だと誤解が解けると
こちらへの興味もなくなるわけで
非常に難しい感じでした。
もちろんだからと言って
諦めることはできませんし、
芳井君自体悪い人でもないのですが、
厄介という点は疑いようもなく、
だからこそ彼をより知りたくなる、
不思議な魅力があったとも言えます。
とは言えもし自分が恋する側だったら、
やはり「彼女ありでなければ」という
難しいタイプの相手は、
どうしても恋愛対象から
外してしまいそうだとも
思ったりもしましたが……。
だって好きなんだもんはこんな方におすすめな作品!必見
年上、年下、髪型、そしてスタイル……、
理屈抜きでグッと来るというポイントは
人それぞれ違うものですが、
コメディならばともかく、恋愛もの、
特に学園ものということであれば、
「普通」な感じに落ち着くことが多いですね。
あまり相手の好みが「尖って」いると、
ヒロインがその対象になりにくいですし、
そもそもそんな「尖った」人を、
普通のヒロインがすんなり好きになるかの
部分でも支障があるからかも知れません。
しかし本作の芳井君は、なんと
「彼氏がいる女の子が好き」という、
かなり業が深いタイプの男子で、
彼氏にしなくても色々な巻き添えを
受けかねないぐらいのヤバさを
滲ませてもいます。
しかしそれ以外の点については
真面目で紳士な感じであり、また
ヒロインの望加も、情熱的ないい子で、
まったく「悪い人」ではないことが
本作の特色でもあります。
他の恋愛漫画では見られないタイプの
厄介さを持った男子とのドキドキを
満喫したいのなら本作がオススメです。
また、芳井君たちの秘密を簡単には
すべて明らかにせず持ち越したり、
芳井君の厄介さが物語を進める、
「起爆剤」になっていたりと、
構成が巧みな点も、
見逃すことはできません。