タイトル | ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン |
---|---|
原作・漫画 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
「スタンドバトル」が面白い
「ジョジョの奇妙な冒険」の第8部です。
この作品は架空の街である「杜王町」が舞台。
この街はジョジョの奇妙な冒険第4部で
登場した街の名前と同じなのですが、
登場人物は全員違います。
ですから初めて見る人でも
すんなりと入りやすいでしょう。
ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオンあらすじ紹介
「あの」大震災の後、S市杜王町は「壁の目」と
呼ばれる隆起した土壁が海岸線を
守るようにせり上がりました。
その壁の目に来た杜王町の住人、
広瀬康穂は壁の下の土砂に
裸で埋まっている男の子を見つけます。
彼は自分の名前も住所も
全て忘れていました。
計算とか読み書きはでき、
記憶はそこそこ残っている。
でも大事なことは全て忘れており、
広瀬康穂は彼と行動を共にします。
「壁の目」に埋まっていた男の子の特徴は
「タマが4つ」あったということ。
それが何を意味するのかわかりませんが、
広瀬康穂の彼氏だと言う
東方常秀に暴行を受けます。
その時、彼が出したのが
「スタンド」でした。
スタンドとは一人一体存在する
背後霊のようなもの。
そのスタンドで常秀を攻撃した
彼は体調を崩し、
常秀共々、入院します。
康穂とともに記憶を辿ろうとする彼は、
帽子屋の購入記録から「吉良吉影」という名前
であることがわかります。
本当にその名前なのか
どうかはわかりません。
その住所にあるマンションに行くと、
なぜか風呂場から
女の子が助けを求めてきます。
風呂場で女の子の正体に
迫ろうとした「吉良」に対し、
上階からスタンド攻撃が始まります…。
そう、この風呂場は「吉良」
を呼び出して殺すための
トラップだったのです。
ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオンネタバレ・今後の展開
この話は「呪いを解く物語」です。
その「呪い」とは「ロカカカの実」によって
解除される「石」になる病気。
実は「吉良」だと思われていたのは別人で、
結局、
埋まっていたこの人物は名前が不明なまま、
物語は進行します。
スタンドは「ソフト・アンド・ウェット」。
能力はシャボン玉が割れた
場所から「何かを奪う」能力。
摩擦や視力なども奪うことができるため、
非常に使い勝手がよい能力です。
結局、この彼は東方常秀がいた東方家に
引き取られることになります。
そして名前を付けられるのですが、
その名前が「東方定助」。
この名前はこれまでジョジョ4部を
読んできたファンからすれば
「おっ」と思ったことでしょう。
そう、これは第4部の主人公
である東方仗助の
漢字違いの名前なんです。
しかも、第7部である『スティール・ボール・ラン』
から引き継いでいる話も登場します。
ということはそうです。
この部はやはり第6部のボス、
プッチ神父がスタンドで行った
「世界を一巡させる能力」
これを使って
一巡した後の世界での話と見ていいでしょう。
物語はそのまま続いていた…
ということなんでしょう。
だから広瀬康穂というのも
4部で登場した「広瀬康一」に似ています。
また東方家の家政婦は「虹村さん」です。
虹村といえば「虹村億泰」。
4部の登場人物がそれとなく出てきているので、
4部ファンにも嬉しい漫画です。
今後の展開は定助が東方家に
住んでからの物語となります。
学校に行こうとすればカツアゲロードという
スタンドがはびこる道に常秀から誘い込まれ、
そこで7部から続く物語に出会ったりします。
新たな敵も出現します。
それが「岩人間」です。
人間とは違った生命体であり、
彼らも「ロカカカの実」を狙っています。
それを定助や康穂が嗅ぎつけた段階から、
岩人間たちとのバトルがスタートします。
そして全員がスタンドを持っているので、
定助vs岩人間という図式が出来上がります。
おそらく今後、ボスキャラ的存在が出て
岩人間になるのではないか
というワクワク感があります。
13巻、ついに定助と吉良の目的、
そして「壁の目」になぜ定助が
埋まっていたのかの
謎が明かされます。
そこを読むとジョジョリオンの
深さがわかってきます。
ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン読んでみた感想・評価
ジョジョリオンは過去から続く血統の物語。
そしてジョジョ全体の物語としても
相当重要な部である
ことは間違いありません。
特に「吉良吉影」と「キラークイーン」が
登場してくるので、血統や人物は違いますが、
これでもかというぐらい
4部ファンには嬉しい展開が続きます。
スタンドですが、
この部はこれまでのように
スタンドバトルではありません。
いや、肉体的なバトルはほとんどなくなり、
サスペンスとしての
心理戦バトルとなっていきます。
東方家のスタンド使いたちは皆、
戦闘向きではありません。
家長の憲助さんは「キング・ナッシング」
能力は遺留品から臭いをかいで
追跡する能力です。
次女の大弥ちゃんは
「カリフォルニアキングベッドちゃん」。
能力は「相手にルールを課し、
破るたびに記憶を一つ、
チェスの駒にして奪う能力」。
どこで使うんだというぐらい
特化した能力ですが、
これらの能力があるからこそ、
この先、この物語は
どんどん期待感が膨らむんです。
呪いという内容に隠されたものは
果たして病気なのか、一巡した世界なのか。
またはジョースターの血統なのか、
それらの謎がまだまだ解けそうにないんです。
似たような人が多く出てくるため、
この部は『ジョジョの奇妙な冒険 第7部』
からの続編であり、
世界が一巡した後の話であるということは
もう間違いないと思われます。
そうなると、私のような深読みするファンは
「もしかしたら、ジョジョリオンで
世界一巡が何かなるのではないか」
と思ってしまうんです。
というのも、
『ジョジョの奇妙な冒険 第6部』で使われた
最後のボススタンド「メイド・イン・ヘブン」
宇宙を一巡させることで
新たなパラレルワールドを作りました。
そのまま話は進んでいるんです。
13巻では岩人間の頭領的存在である
人間が出てきます。
そこでは定助や吉良の行動の
結果がわかるわけですが、
まだまだ話が続きそうです。
これから何巻ぐらいまで
行くのかなあと思っています。
さて、ジョジョリオンの楽しみのもう一つは
「東方家全員のスタンドはいつ出そろうのか」
ということです。
最新刊では長女・鳩ちゃんの
スタンドがとうとう登場します。
スタンド名はまだ不明ですが、
あと出ていないのは憲助さんの妻、花都。
さらには常敏の妻、密葉さんぐらいです。
彼らのスタンドも楽しみですし、
吉良の母であるホリィさんの
頭から奪われたものは
何だったのかとか、まだまだ謎は
残ってるんですよね。
だからこそ、これほど先の展開が
気になる部は初めてでした。
史上最長になるのではないか
という噂もあるほどですから、
ぜひ読んでみてください。
間違いなくあなたの心を
「奪って」しまうでしょうから。