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大東京ビンボー生活マニュアルのネタバレと感想や試し読みあり!結末が気になる!

大東京ビンボー生活マニュアル

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル 大東京ビンボー生活マニュアル
原作・漫画 前川つかさ
出版社 講談社

トイレ共同、風呂なしの木造アパート。

六畳一間の生活に、
口やかましい大家のおばさん。

どこの街にも銭湯があり、
まだ商店街はどこも賑わっていて。

連絡手段は、
たまの電話か置き手紙。

お金はなくても、
ココロは満たされていて……。

何かに急かされることなく、
みんなそれなりに幸せだった時代。

そんな時代のスローライフを、
ちょっとのぞいてみませんか?

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大東京ビンボー生活マニュアルのあらすじ紹介

木造二階建てのアパート
「平和荘」、風呂はなく、
トイレも共同。

その一室に住むコースケは、自ら
「ビンボー」を自認し、日々の生活を
いろいろと工夫して過ごしている。

特に定職についているわけでない
コースケは、気が向いたり
人に頼まれればバイトをするが、

普段は有り余る自由な時間を満喫する。

読書をしたり、日常の風景を観察したり、
いろいろな人と語り合い、
そして彼女のひろ子さんと出掛けたり……。

春夏秋冬の移り変わりにあわせて
起きるさまざまな日常の物語が、
コースケの目線で語られていく。

大東京ビンボー生活マニュアルのネタバレと今後の展開は?

コースケの部屋にはテレビもラジオもない。

生活用品としてあるのは、
当初は電気ポットぐらい。

調理器具、ガスコンロの類いもなく、
ひろ子さんがご飯をつくりに
来てくれたときには、

隣の学生さん(早大生)に
卓上カセットコンロとフライパンを
借りている。

まな板は電話帳で、
包丁の代わりに万能ナイフを
用いている。

この時のメニューがスパゲティだが、
これを麺は電気ポットで茹でている。

後になり、友人から旧式の
電気炊飯器を譲りうけ、
これで新米を炊いて食べている。

また、見かねた叔父さんから
電気ごたつをプレゼントされている。

音楽を聴くときにも隣の学生さんから
ラジカセを借り、その学生さんが
合宿でしばらく不在になるときには、

ビデオデッキを借りている。

隣の学生さんには、ひろ子さんを
送っていくのに自転車を貸してもらったり、
冷蔵庫でスイカを冷やしてもらったり、

朝食の調理にオーブントースターを
使わせてもらったり、と
かなり依存した生活を送っている。

ただ、いろいろと借りたり、
もらったりしているが、
調味料やカセットボンベは所有している。

「ソフトに金を惜しむな」と作中でも
述べているが、それが
ポリシーとなっている。

ビデオデッキを借りた時に
借りていた名作ビデオの数々は
図書館で借りたモノで無料であるが、

締めで視聴した小津安二郎監督の
「東京物語」だけは
自腹で買ったものである。

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大東京ビンボー生活マニュアルの読んでみた感想・評価

風呂なし・トイレ共同の木造アパートやら
江戸っ子なおじさん達が威勢良く
入浴している銭湯、

路地裏で遊ぶ子供やヘチマ水を調合、
などなど。

いつ頃の話かと思うかもしれないが、
これ自体、実は日本が土地・株に
狂乱していたバブル期の物語である。

その頃を知らない若い人からすると
信じられないかもしれないが、

この時代は高級な服を着飾って
夜な夜な繁華街でバカ騒ぎしていた
人たちがいた反面、

もはや「絶滅危惧種」ともいえるかも
しれないが、本当に心が満たされる
ものとは何かを知っていた人たちも

まだまだたくさんいたのである。

時代の流れでこれらの人たちは
徐々に消えていき、コースケのような人物は
稀少な存在となってしまった。

この物語は「ビンボー」を楽しむ
コツのようなものを紹介しつつ、

本当に「豊かな生活」とは何か?
と語りかけているような気がする。

ただ、作中では直接語られていない
ところもあるが、決して「ビンボー」を
無条件に礼賛している、

というわけではない、と思う。

コースケは確かに金のかからない生活を
満喫しているが、芯の部分において
譲れない何かを持っているような気がする。

というのは、金がないから、といって
「文化的な面」を削るようなことは
していないのである。

一般的な観点からみれば、
金を使うレベルが違うかもしれないが、

自分が必要だと思っているところには
(衣食住以外でも)使っているのである。

閉館するという名作映画館があれば
出向いてオールナイト上映を
楽しんだりもしている。

コースケにとって、ビンボー生活=
節約生活、ではないのである。

表面的な節約生活で金を貯めても、
それは本当に豊かになったといえるのか。

その問いを投げかけて
くるような作品だと思う。

大東京ビンボー生活マニュアルはこんな方におすすめな作品!必見

この作品はもっと評価されてもいいと
思っているし、もっと多方面の人に
読んでもらいたいと思っている。

バブル期の世相や人々の暮らし、
東京の姿を描いた作品(コミック、
小説、ドラマ、映画など)は数々あるが、

このようなバブルの背景にあった
日常生活を描いているものは
珍しいのではないか、と思う。

2018年7月現在、
あのバブル当時と同じような
経済状況が目の前にある。

あの時を歴史的に総括して、
見直している作業をしている方、

あの時代に興味があり、
いろいろと文献を調べているような方、
そんな方にも見て欲しい。

バブル期の描写は得てして
「狂乱」という一言で片付けられがちだが、

このような、今で言うところの
「スローライフ」的なものがあり、

少なからぬ人がそういう生活を
送っていた(そういう生活に対して
高い評価を出していた)

ことが認識できると思う。

バブル期を知らない若い人たちには
特に読んでほしいところだ。

当時と比べても、時代の動きは急激で、
生きるのを急かされている感を
常々感じている若い人が、

もしいたとしたら、それこそ、
「先人の知恵」ではないが、
参考にしてもらいたい。

一部今では実現不可能な点も
あるかもしれないが、その
「ビンボー生活」の本当の

「芯」の部分だけは
感じてもらえれば、と思う。

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