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悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~のネタバレや感想を書いてます!最終回ってどうなってるのか続きが気になる!

悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル 悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~
原作・漫画 深沢かすみ
出版社 集英社

「おコトさま」と呼ばれる
老当主に率いられる小堀家。

村人たちは皆、おコトさまを
敬い恐れていたものの、
家に来た魔性の美しさを持つ娘、

綾乃によって家は思わぬ方向に
揺れていくことに……。

ドロドロした家庭内物語という
王道的な枠組みだけでは
くくれないような深さを持つ、

因果が絡み合う、美しくも
恐ろしい物語です。

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悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~のあらすじ紹介

村の大地主にして、
皆を統率する立場の小堀家。

本家の元日祝いに参加した
小作筋の娘未散は、
その場で、ずば抜けて美しい、

綾乃という娘と知り合います。

やがて綾乃と未散は
儀式を通して、実の姉妹同様の
「ホン姉妹」となり、

歳が近いこともあって
親しくなっていきますが、
綾乃には「秘密」がありました。

それは綾乃の責任とは
言いかねるものでしたが、
綾乃の魔性的な美しさは、

多くの人々を魅了し、そして、
家すら傾けていくのでした。

悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~のネタバレと今後の展開は?

村の大地主、小堀家。
椿に囲まれた大邸宅を率いる
当主である老女は、

村人から「おコトさま」と
呼ばれるほどに
周囲からの尊敬を集めていました。

小作人筋の娘未散も、
元日の祝いに集まり、
おコトさまと顔を合わせますが、

その席でおコトさまは、
直系の末子である綾乃を
皆に紹介します。

まるで人形のようだと大人が
思ってしまうほどに、
人間離れした美貌を持つ綾乃は、

未散にとっても衝撃的でしたが、
その場では以降、姿を
見せることはありませんでした。

しかし、その六年後、
村に伝わるまじない事の一種、
「ホン姉妹」を選ぶ儀式で、

綾乃と未散は見事に選ばれ、
本物の姉妹同様の付き合いを
未散は綾乃から請われます。

実際に話してみると
綾乃は明るく天真爛漫で、
未散も好感を抱くのですが、

何故か家族からのガードが固く、
親戚や村の仲間すら遠ざけ、
周囲から隔絶されていました。

しかしどうやら、
それは綾乃が男たちから
暴行されかかったためという、

嫌な噂を聞いた友人たちは
それぞれに心を痛め
将来を決める者も出てきます。

しかし小堀家に届け物をして、
雨に降られてしまい、
泊まることになった未散は、

まったくの偶然から、
綾乃とその叔父勲の
交わりを目にしてしまいます。

さらにその直後、綾乃は
未散といるところで
流血しつつ倒れ、

調べてみたところ
流産していたことが判明します。

それは言うまでもなく事件でしたが、
その直後に酒を飲んでいた勲が
謎の死を遂げます。

さらにその葬儀の場で
綾乃に激怒した信子が
綾乃に襲いかかったところ、

綾乃の反撃に遭い階段から落ち、
強烈なダメージを受けてしまうなど、
家には次々と不幸が訪れます。

その後太平洋戦争が始まり、
村にも戦争の影響が
目に見える形で出てくる中で、

未散の村に一人の若者が
疎開してくることになりました。

守谷というその若者は、
はっとするほどの美貌を持った
スラリとした男性で、

しかもバイオリンを自在に
弾きこなすほどの音楽家。

その音色の素晴らしさに未散は
思わず涙してしまい、
二人は親しくなっていきますが、

そこに意外なところからの
横槍が入ってきたのでした。

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悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~の読んでみた感想・評価

王道かつ定番な
お家騒動系物語ですが、
他にはない独特の存在感と、

「重さ」溢れる設定が、
臨場感につながっていますね。

一方、戦時中や戦後といった
時代の激しい移り変わりにより、
「家」そのものが即座に、

崩れ去っていくような急変など
ハードな人間ドラマを
堪能できる良作でした。

本作の主人公は未散ですが、
ただならぬ存在感を示しているのが、
彼女のホン姉妹の綾乃ですね。

並外れて、それこそ常識外に
美しいために男を狂わせ、
周りに騒動を巻き起こす綾乃。

その恐ろしさを知りつつも、
悪行であり何より「家」を
乱しかねない行為には、

決然と行動せねばならない、
老当主の業の深さ。

これらの要素はリアルな
家庭内騒動ものというより
むしろ伝奇的ですらあり、

だからこそ彼女たちの
恐ろしさは極めて独特で、
ドキドキが止まりませんでした。

また、当初は「人形のよう」と
形容されていた綾乃にしても、
本性は決して無垢な善人ではなく、

代々積み重ねられてきた
家の重みと「業」によって、
その本性を露わにしていくんですね。

戦前戦中、そして戦後にかけての
激動極まりない世の中にあって、
ひたすらに古く、不自然なほどに

「情念」を抱え込んだ家の凄みは
読む側にとっても相当に重く、
心に迫るものがありました。

個人的にはここまで凄いしがらみ、
一旦距離を取らないと、
どうにもならないような気がしますが、

それが分かっていつつも動けないのが
「戦後の村」の大変さであり、
未散たちの辛さでもありますね。

悪女の一生~花守りの家(はなもりのいえ)~はこんな方におすすめな作品!必見

道ならぬ恋の道に踏み込んだり、
権力者を自在に操ったり、
自らが独裁的な権力を握ったり……、

一口に「悪女」と言っても、人により
その内情は実に様々です。

しかし、いずれにせよ創作上で、
歴史に名を残すような悪女たちと
比較できるようなインパクトを示すには、

強烈かつ納得できるだけの
「動機」のようなものが全般に
必要になってきます。

元々金も地位も土地もある、
そんな状況では何かを得るために
「悪」になる必要性はかなり薄く、

必然、その動機付けは難しいですが、
本作に関してはかなり直接的に、
「家」のために動いていきます。

人を狂わせるほどの魔性の美を
生まれつき備えている綾乃や、
並外れた長寿のコトなど、

他の作品では見られないような
個性を持つキャラたちの
ぶつかり合いを堪能できます。

その衝突もリアル感があり、
安易な和解には転じないなど
非常に恐ろしい部分がありますね。

また、分厚いような情念と
精密な企ての数々など、
強烈な世界観をリアルに見せる、

構成技術の妙も、
じっくり楽しみたいところです。

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