漂流教室のネタバレと感想！映画の原作を読むならココ！

もしも小学校が生徒と先生と共に
未来へタイムスリップしてしまったら…。

そしてその未来が公害によって汚染され、
人類や文明が
衰退してしまった世界だったとしたら…。

巨匠、楳図かずおが放つ
壮大なSF巨編にして、氏の一大傑作。

漂流教室のあらすじ紹介

大和小学校に通う主人公の高松翔は
ある朝母親とケンカしたまま
家を飛び出して小学校へと向かう。

なにげなく過ぎる小学校の朝。

しかしその時、大きく響き渡る音とともに
地震が発生し、大和小学校は
はるか未来へとタイムスリップしてしまう。

全校生徒と教職員が事態を把握できぬまま
得体の知れない恐怖と向き合う。

最初は保護者的立場だった先生も
次第に理性が崩壊し、
頼るに値しない存在へと変わってゆく。

そんな中、高松翔ら上級生は、
残された学校の設備と資源を有効に活用して
生き残ろうとするのだが…。

漂流教室のネタバレと今後の展開は？

学校を舞台にしたサバイバル劇は、
食料問題に始まります。

その後は狂ってしまった大人との対立、
致命的な公害、
不気味な未来生物との死闘へと発展。

主人公の翔も医療設備が全く無い中で
盲腸をわずらい、麻酔無しで同級生から
開腹手術を受ける事となる。

初めは生き残るという目的の為に
一致団結していた生徒達の中で
次第に派閥が生じてしまう。

そして、仲間同士で争いが起こるようになる。

単純な陣地争いに始まった戦いは
次第にエスカレートし、
遂には死者が出る戦争に発展。

何としても全校生徒を現在に返したいと思う
高松翔は最後に一計を案じる。

そして、全ての中心である小学校の校庭へ
敵となってしまった同級生をおびき寄せる。

タイムスリップが起きた衝撃を学校に加え、
全員が一緒に願えばそのエネルギーで
再び過去に戻ることができるはず…。

死のせとぎわで最終的に和解した高松翔と
敵のリーダー大友はアイデアを出し合う。

その後、生存者全員が
ダイナマイトを囲むように
校庭に輪になってふせる。

漂流教室の読んでみた感想・評価

多くの人間が経験してきた
小学校での何気ない生活が突然一変。

地獄の生存競争に巻き込まれてしまったら
一体どうするのか…。

架空の話と知りつつも、
思わず主人公の高松翔や
仲間と同じ立場に立っている。

真剣に危機に立ち向かう術を考えてしまう。

だが読み手に次々と示される
圧倒的に残酷な未来の真実と
厳しい試練の連続。

仲の良かった同級生が
次々とあっけなく命を落としてゆく
目をそむけたくなるような人間絵巻…。

時にページをめくるのが怖くなり、
思わず手を止めてしまう迫力を持つ。

だがその悲惨な描写が
物語に真実味を与えることに貢献している。

この健気な小学生たちの行く末は
果たしてどうなってしまうのか…
と気になって一気に読み進めてしまう。

時折、挿入される小学校が消失した現在で
息子の身を一身に案じる
母親の愛情が心を打つ。

そしてわずかながらも未来の息子と
交信することが出来たその瞬間…

人間が持つ不思議な信念の力を
垣間見ることが出来て嬉しくなってしまう。

全てが狂ってしまった世界で
正気を保つために必要なのは大いなる愛と
作者は伝えているような気がする。

大長編ながらも読書中は
自分の時間が消失するほど
集中してしまう作品。

漂流教室はこんな方におすすめな作品！必見

漫画に深い文学性と意味を求める方は
大いなる感銘を受けることになるでしょう。

ただし、暴力描写が多いので、
作品の舞台である小学校に通う年齢の子には
あまりお勧めできません…。

中学高校に通う年齢以上の人は
真剣に向き合えると思います。

学校や社会で現在の状況に
何か疑問を感じている方…
何か他の人生があるのではとお考えの方…

本書を読むと180度違う世界を
体験することになり、読後は深い感動と共に
新たな人生観を得ることになると思います。

その一方で、作品が示す
公害による汚染というテーマは
現在世界中で起きている最も深刻な問題です

そのような世界で
どう前向きに生き抜いていけば良いのかを、
主人公の高松翔と一緒に考えるのも良いです

楳図かずおはこの「漂流教室」の他にも
「14歳」という少年少女が活躍する
SFの傑作を残しています。

ぜひそちらも合わせて
読んでいただきたいです。

あなたの人生観を
必ず良い方向に導いてくれることでしょう。

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