タイトル | 派遣戦士山田のり子 |
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原作・漫画 | たかの宗美 |
出版社 | 双葉社 |
その有能ぶりから「派遣戦士」と
あだ名される派遣社員山田のり子。
彼女の凄さは噂だけではなく、
誰よりもキッチリ仕事を行い、
しかも周りの士気を高めるなど、
目に見えない効果もあり……。
無口キャラの常識を覆すような
さり気ない強烈さを持っている
山田さんの個性が笑いを呼ぶ、
独自性の強い会社系コメディです。
派遣戦士山田のり子のあらすじ紹介
物凄い数の資格と経験を持ち、
どんな仕事にも対応できることから、
「派遣戦士」との異名すらついた、
超級派遣社員山田のり子。
常に無口で無表情な彼女は、
派遣された先で、誰よりも明らかに
仕事をするだけではなく、
体や心理に分からせる形での
強烈なハッパをかけたりもします。
またセクハラ上司には
まったく容赦せずに、愛用の
日本刀で撃退したりします。
そのために社内の士気も上がりまくり、
皆バリバリと仕事をし続けますが、
そんな中でも山田さんは、
ダンボールの中に入ったり、
他人には分からない息抜きをしたりと
自分のペースを守っているのでした。
派遣戦士山田のり子のネタバレと今後の展開は?
百近い資格を持ち、あらゆる仕事を
やすやすとこなしてみせる、
スーパー派遣社員、山田のり子。
その仕事の有能さから、「派遣戦士」とも
呼ばれる彼女は、物凄い業務への適応と、
自他ともに対しての厳しさを見せます。
何があっても決して顔には出しませんが、
ミスをした同僚に対しては、
慰めではなく目突きをかましたり、
セクハラをしてくる上司に対しては
愛用の日本刀を抜いて、
首元に突きつけさえします。
しかしそんな彼女ですが、
基本的にまったく喋らず、
管理職でもないためにパワハラとは無縁で、
実際に誰よりも、過剰なほどに
仕事をし続けるために、
周囲への影響もまた強烈でした。
単に彼女に頼るのではなく、
即席バンジージャンプといった
山田さんからの無言のハッパを受けて、
一気に危機感と士気を高めたり、
案外細かいことを気にしたりするので、
配慮の大事さを伝えたりもしています。
とは言え一切プライベートが分からず、
また無駄なことは語ろうとしないために、
実年齢から私生活に至るまで、
超有能な山田さんの実像は、
大いなる謎に包まれていたのでした。
派遣戦士山田のり子の読んでみた感想・評価
無言有能系の、典型的な
無口キャラかと思いきや、
極めてタフかつ積極的で、
社会人としての厳しさが
前面に滲んでいるのが、
意外で面白かったですね。
本作のポイントは完璧に
主人公の山田さんですね。
大人しくてパリッとしていて、
典型的な美人系のOL的な
雰囲気を出しているのですが、
仕事ぶりは過剰なほどに優秀、
しかも他人への厳しさも
過剰なのには驚きました。
ミスをすれば目突き攻撃、
セクハラ上司には日本刀と、
ひょっとしなくてもかなり、
問題になりそうな対応ですが、
それでも不思議に毒がなく
受け入れていけるんですね。
それは山田さんが誰より真面目で、
しかも意外とリラックスや
洒落を忘れないからかも知れません。
また、とんでもないレベルのことを
スイスイとクリアしてしまうので、
周囲の士気を上げまくる点も、
決して見逃すことはできませんね。
特に大柄でもなく、見た目が
派手なわけでもない彼女だからこそ、
俺にもやれると思わせるのかも知れません。
また、山田さんのフリーダムさを
認めている会社だけに、他の社員たちも
個性豊かなのもいいですね。
派遣戦士山田のり子はこんな方におすすめな作品!必見
いわゆる正社員とは違い、契約に応じ、
様々な職場に赴くのが派遣社員。
その保障の薄さは業務の厳しさから、
「派遣切り」、「派遣難民」などの、
様々な問題の要因になってきました。
一方で雇い入れる企業の方としても、
派遣会社に高いお金を払って
雇っている以上、
建前ではなく「本当に」、
有能で即戦力な人が欲しいという
強い思いもあったりします。
しかし条件を良くしないと、
なかなか凄腕とは巡り会えないのが
世の中の常というものですが、
本作の山田さんはまったく違います。
いつもクールで、自分にも他人にも
過剰なほどに厳しく、何かがあれば
日本刀を使うことも辞さないなど、
とにかく強力かつ有能な動きを
見せ続けてくれます。
しかも単に無愛想なわけではなく、
意外に色々気にするタイプで、
無言でも場を盛り上げられますから、
超一流の助っ人としての
派遣社員を堪能したい方には
まさに最適な一作と言えます。
とにかく何でもできるし、
無言無表情でこなせるだけに、
逆にその平然ぶりが、
ギャグのフリを形成していて、
どんな笑いに転ずるのかと
つい身構えてしまいますね。