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ICHIGOのネタバレと感想です!どうなる結末は!?

ICHIGO

この記事は約 4 分で読めます。
タイトル ICHIGO
原作・漫画 六田登
出版社 小学館 ゴマブックス

戦争からの復興に湧く
昭和20年代の日本。

梅川建設の社長である梅川源二郎の息子
として生まれた梅川一期と、その弟の利行。

昭和という激動の時代のもと、
梅川家の三人それぞれが
おのおのの夢の都を作ろうとする物語。

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ICHIGOのあらすじ紹介

一期は、生まれて間もなく病気のために
片肺を摘出したことによって
胸に大きな傷を持ち、

自分は不完全な人間であるという
根深いコンプレックスを抱くこととなる。

弟の利行も生まれると一期はその思いを
一層強くし、世界との距離感を
測りかねていく。

そんな一期の前に、
顔に大きな傷をつけた
転校生の文也が現われる。

旅芸人一座の座長の息子である
文也との交流によって、

一期は少しずつ自分の
コンプレックスから立ち直りかけるが、

ある日、文也の顔の傷が、転校生として
生徒に舐められないための
偽物であることを知ってしまう。

ICHIGOのネタバレと今後の展開は?

文也の顔の傷が偽物であったことを
知った一期は、文也の傷を
本物にしようとして、

文也と一緒に出演していた劇団の
公演の最中に真剣で斬りつけ殺害する。

一期の嘘の証言によって、
文也の死は事故として処理されるが、

事件から5年後の一期が高校2年のとき、
刑事の武村は一期の犯行を疑い、
一期の行動を追い始める。

一期は自分が刑事に目をつけられている
ことを知らないまま、

自分に敵意を向ける世界よりも
優位に立つ方法として
殺人という手段を選び、

ヒッチハイク先の夏祭りで女性を殺害。

その後、一期を追いつめた武村をも
吊り橋を落して殺害した一期は
ヤクザの岩井と出会い、

梅川の家を出て、
その殺し屋としての才能を開花させていく。

しかし、一期の殺人衝動は
エスカレートしていき、
岩井でさえも一期を手に余らせ始める。

一方、弟の利行は、父、源二郎のもとで
兄に代わる跡取りとして
エリート街道を進んでいたが、

自分の築こうとしている都に
現実味を持てないでいた。

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ICHIGOの読んでみた感想・評価

この漫画で圧巻なのは、やはり一期にとって
最初の殺人である文也殺害までの描写です。

なぜ、小学六年生の一期が文也の
殺害という手段を選ばなければ
いけなかったのか。

そこに至るまでになんと27話、
単行本にして2巻以上もかけて、

一期の誕生からその性格形成を
丁寧に描写しているのです。

その27話目の題名が「旅立ち」で
あったり、犯行直後の一期の顔に、
東京オリンピックの開会式の

「開会宣言です!」というアナウンスが
被るコマは、一期の殺人者としての
人生のスタートを高らかに

宣言したかのようにも見えます。

実際、一期はここから一気に
連続殺人者としてハイペースに
犯行を重ねていきますが、

それは自分の弱さを世界に
見せないための必死の抵抗でもある訳です。

そこを頭に入れながら読んでいると、
殺し屋となった一期の凄惨な犯行現場も
異様な説得力を持ち始めます。

物語後半、一期は記憶を失い、
しばらく殺人者としての自分を忘れて
平和な暮らしをしますが、

自分のアイデンティティーを保つ方法が
殺人だけとなってしまっていた一期は、
やはり記憶を取り戻してしまいます。

そこには、他の生き方をすでに
選べなくなってしまった一期の
深い悲しみもあるような気がします。

ICHIGOはこんな方におすすめな作品!必見

紙の書籍はすでに絶版となっていて
古本でしか購入できませんが、
現在は電子書籍で復刊していますので、

そちらなら簡単に入手できます

(Kindle、Kobo、
BookLive!など
大手電子書籍なら販売しています)。

単行本で全10巻とストーリーも
それほど長くなく、一晩で一気読み
できるほどの分量です。

舞台が昭和なので、30代以上の昭和年代を
少しでも経験した年齢の方や、

昭和史に興味のある方に
向いているかと思います。

また、主人公は正義のために
殺人をする訳ではなく自分のために
犯行を犯し続けるので、

悪人が主人公である
ピカレスクヒーローものが
好きな方にもおススメです。

『悪の教典(原作:貴志祐介 
漫画:烏山英司)』や

『三億円事件奇譚 モンタージュ
(渡辺潤)』などが好きな方なら、
ぜひ、一読してみてください。

また、当然のことながら六田登の
他作品である『F』が好きだった方は、

『F』とはまた一味違った
親子の関係性もテーマとなっているので
興味深いのではないかと思います。

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